アルゼンチン、クリスチーナ副大統領に実刑判決=不逮捕特権で執行免れるも

クリスチーナ副大統領(Twitter)
クリスチーナ副大統領(Twitter)

 アルゼンチンのクリスチーナ・キルチネル副大統領が、建設事業での特定企業斡旋に伴う汚職と公金横領で6年間の実刑判決を受けた。だが、この裁判は1審で、不逮捕特権もあるため、実刑は科せない状態にある。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
 この裁判はクリスチーナ被告が自身の政治基盤のあったサンタクルス州の企業ラーザロ・バエズ社を不正に斡旋して、51件の建築工事を担当させ、10億ドル相当の公金を横領していた嫌疑に関するものだ。
 この嫌疑は、クリスチーナ氏の夫のネストル氏が大統領だった時代(2003〜07年)と、クリスチーナ氏自身が大統領だった時代(2007〜15年)にささやかれていたもので、大統領の任期が終わった15年から、捜査が本格化していた。クリスチーナ氏はこの嫌疑を否定し続けているが、裁判所は同氏に6年間の実刑判決の宣告を行った。
 だが、この判決だけではクリスチーナ被告に実刑を科すことはできない。それは、同被告が2019年からアルベルト・フェルナンデス大統領の副大統領を務めており、不逮捕特権があるためだ。クリスチーナ氏は上院議長も兼任している。
 また、1審での判決でもあるため、クリスチーナ氏は上告することが可能だ。この不逮捕特権がある限り、同氏は選挙への出馬も可能だ。彼女が公職を続けた場合、不逮捕特権を無効にするには、最高裁で有罪になる必要がある。最高裁で有罪になれば、選挙には生涯出馬できなくなる。
 クリスチーナ氏には2023年の大統領選出馬の噂もあったが、今回の判決が下った後、「来年はいかなる選挙にも出馬しない」と語っている。同国の世論調査では、70%の人がクリスチーナ氏を有罪だと思うと答えていた。
 クリスチーナ氏は今回の判決に関し、マウリシオ・マクリ前大統領をはじめとした保守派による政治的迫害だと主張している。クリスチーナ氏は判決前、「南米ではルーラ氏や私のような存在が迫害されている」と語っていた。

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