在住者レポート=アルゼンチンは今=相川知子=サッカーW杯で国中が止まる!=試合時間を避けて授業やテスト

 アルゼンチンではW杯で、国中が止まる。
 小学一年生の女の子の母である伊藤まどかさんは学校からの連絡に驚いた。  

(写真1)「試合時間に合わせた登校と下校でオッケー」と案内する学校からの連絡

 アルゼンチンのW杯初戦は11月22日午前7時開始だった。学校からの連絡には「アルゼンチン代表の試合時間に合わせての登校と下校でオッケーですよ」(写真1)とある。さらに、「アルゼンチン代表の試合が学校の時間と重なれば試合は見せますから」との断りもあった。
 残念ながら、試合結果はサウジアラビアに逆転負け。SNSにあげられたアルゼンチン人のスペイン語コメントの気持ちを最大限にあらわすため川柳風に訳してみた。

・アルゼンチン ああアルゼンチン アルゼンチン
・残るのは 後29回 (テレビ)月賦かな
・売ります! 二時間使用 55インチ
・僕はまだ(カードの)明細さえも 未受領だ
・もってけよ 廃品回収 (W杯)シール帳

ブエノスアイレスのアルゼンチン代表応援の様子

 第2試合のメキシコ戦は勝利に終わり、決勝トーナメント進出の可能性が開けた。この日は土曜日であったので多くの人々がパレルモ公園に設置されたパブリックビューイング会場「ワールドカップ感動」に集合した。(写真2、3、4)

 パブリックビューイング会場の展示見学は毎日自由に可能。ただし、試合時間中の入場はブエノスアイレス市サイト(https://www.buenosaires.gob.ar/cultura/festivalesba/emocionmundial)から予約して行う必要がある。
 11月30日水曜日の第3試合は、午後4時開始のため、当方が日本語を教えているブエノスアイレス市立外国語大学レングアスビバスでは、小学部、中学部の生徒が授業の合間に試合を見られるよう、講演室と喫茶部にテレビを設置する。

(写真5)市立外国語大学レングアスビバスの日本語クラスでは11月27日、2022年アルゼンチン応援歌「MUCHACHOS」の日本語訳をひらがなとカタカナで書き取りし、歌った(https://www.youtube.com/watch?v=nZS8u35PD3Y)

 試合終了時間が日本語1の学年末テスト開始時間の午後6時と重なるので、テスト開始は30分繰り下げることにした。近くの友人宅に集合して応援してから来る学生もいるようだ。(写真5)
 ラウンド16は12月3日か4日に行われ、週末に当たる。準々決勝は12月9日(注1)か10日の休日に当たるので、パレルモ公園は混雑するだろう。などとアルゼンチンが決勝に進出することしか私達は考えていない。
 試合のある日もない日も、アルゼンチン代表ユニフォームを着たがる伊藤ハナちゃん。伊藤さん家族は、8年前にブエノスアイレスに移住した。伊藤家にとって2回目のW杯である。(写真6―1、6―2)今回はハナちゃんがアルゼンチン生まれという自覚を持って、代表選手を応援している。伊藤さん夫婦は日本から移住した自分達家族を温かく迎えてくれたアルゼンチンの人々に感動している毎日だという。(注2)

W杯中のアルゼンチンでのご留意点

(写真7)アルゼンチン牛レストラン「La Cabrera」では、お皿まで水色と白の国旗配色を行っている(相川知子撮影)

 W杯の試合時間帯前は、アルゼンチン中のスーパーが混雑し、ビールやおつまみ関係は店頭からなくなる。レストランは試合時間に合わせて、予約で埋ってしまうので、この時期にアルゼンチンに訪問される場合は事前に情報収集したほうがいいだろう。(写真7)
 「アルゼンチン人から嫌われたければ、アルゼンチン戦時に訪問時間を設定するのが最適でしょう」――日本人向け異文化コミュニケーションの次回の講義は、この冗談から始めようと考えている。(11月29日作成)

(注1)12月8日はクリスマス前の聖母マリアの無原罪のお宿りの日で祝日。
(注2)ブエノスアイレスで日本ードイツ戦を応援する日本人は現地のニュースで報道された。ビデオ19秒から伊藤まどかさん登場(https://www.clarin.com/deportes/mundial-qatar-2022-festejaron-japoneses-fan-fest-palermo_3_cCPqOMbQcY.html

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