リオ市=国立病院の医師らを解雇=今月は500人だが来年も

 保健省がリオ市内の国立病院の医療関係者の契約更新を行わなかったため、12月だけで500人以上、来年1月も約2千人が解雇される事になったと11月29日付現地サイトが報じた。
 人員削減の対象となるのは、ラゴア、イパネマ、アンダライー、ボンスセッソの各地区にある国立病院と、公務員病院、ジャカレバグアのカルドーゾ・フォンテス病院だ。
 これらの病院では既に437病床が閉鎖され、医療関係者354人が削減されている。
 11月29日現在の病床閉鎖数と人員削減数が最も多いのはボンスセッソの194床、173人で、公務員病院の90床、76人がそれに続く。最も少ないイパネマでも、17床が閉鎖され、3人が解雇されている。
 12月1日付で解雇されるのは、心臓科や泌尿器科などの専門医や看護師、看護助手などだ。同州医師組合のアレッシャンドレ・テレス会長は、「六つの国立病院と三つの国立研究所は、リオ州の保健行政を支える医療機関だが、連邦政府はこれらの医療機関を放棄した」と発言。医療関係者の契約が切れる事は早い時期から分かっていたが、保健省が契約を更新しなかった。
 保健省は国立病院のインフラストラクチャー改革のための連邦ネットワークの再構築のためとしているが、テレス氏は、現場に残る医療スタッフの負担増などを懸念。
 医療関係者の大量解雇は対応できる患者数や入院者数の減少も招く。ボンスセッソ病院医療部長のジュリオ・ノローニャ氏は、集中治療室の閉鎖も必至と見ている。
 リオ市議会保健委員会は、国立病院の医療関係者の人員削減は市立病院や州立病院の負担増にもつながる上、難度の高い手術などを行える病院が減り、救える命を救えないという事態が起こり得る事を懸念している。

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