新型コロナ=空港や機内でのマスク再義務化=感染拡大で、死者数は100人以下=治療薬やワクチン承認続々と

新型コロナの感染者(上)と死者の週毎の推移(全国保健局長審議会公式サイトより)
新型コロナの感染者(上)と死者の週毎の推移(全国保健局長審議会公式サイトより)

 【既報関連】新型コロナの感染再拡大や年末年始の人混み増を配慮し、国家衛生監督庁(Anvisa)が22日夜、25日以降の空港内や機内でのマスク着用を義務化したと22、23日付現地紙、サイトが報じた。
 空港や機内でのマスク着用は8月に非義務化されたが、22日の理事会では5人中4人が義務化に賛同した。
 プラスチックやアクリル製のマスクや空気抜き用バルブ付の物、フェイスシールドなどは適正なマスクとして認められない。3歳未満の子供や、自閉症スペクトラム障害や知的障害、感覚障害など、マスクの使用を妨げる障害を持つ人は着用義務が免除される。
 この日は、オミクロン株の下部変異株に対応しているファイザー社製の新型コロナワクチン2種に対する緊急使用許可も出た。これらのワクチンはBA1型株とBA4/BA5型株に対する免疫力が強化されており、補強接種用として使用する事が認められた。これらのワクチンを55歳以上の人が接種した時、1カ月後のオミクロン株に対する抗体量が従来型ワクチンの約9倍になったという。
 同庁は21日も、子供向けのレムデシビルの使用と、薬局や私立病院でのPAXLOVID(抗ウイルス剤)の使用を認めた。後者は酸素補給が不要で重症化の可能性のある大人向けの薬だ。
 新型コロナの感染拡大傾向は続き、13~19日も新規感染者が前週比で54・8%増えた。19日の感染者総数は3500万人を超え、新規感染者の7日間平均も1万3610人に増加。22日の7日間平均は1万8432人に増えた。
 22日現在の死者は68万9155人で急増はしていないが、観察中の患者は18万7325人に増え、私立病院での入院者増も続いている。23日には15州で重症者増加中と報じられており、22日の死者の7日間平均は、19日の38人から65人に増えた。
 ただ、連邦会計検査院は次期政権の移行作業班に、現政権は新型コロナの予防接種率の指標を定めておらず、目標達成の評価は不能との報告書を提出。コロナ禍後の保健政策立案に必要な罹患率や死亡率の情報もないという。移行作業班は23日のAnvisaとの会合後、基本的な医薬品などの不足が保健システムを止める可能性への懸念も表明した。

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