《ブラジル》ルーラに財界の支持相次ぐ=ボルソナロは福音派が後押し

ルーラ氏支持の財界大物たち(Twitter)

 大統領選の決選投票に向け、経済界の大物たちがルーラ氏、福音派の大物がボルソナロ氏への支持を発表し始めている。5、6日付現地紙、サイトが報じている。
 一次投票翌日の3日は、ルーラ氏が一次投票で勝利しなかったことに市場が好感して、株価上昇とドル安が起きた。だが、これでルーラ氏の経済政策が中道寄りになると考え、民主主義擁護を願う経済界の大物がルーラ氏への支持を相次いで表明している。
 4日はカルドーソ政権中銀総裁のアルミニオ・フラガ氏がルーラ氏への支持を表明したが、5日はカルドーゾ政権の経済相だったペドロ・マラン氏、社会経済開発銀行(BNDES)のペルシオ・アリダ元総裁、レアル・プラン作成者の一人のエジマール・バシャ氏らがそれに続いた。アリダ氏は、ボルソナロ氏は「民主主義にとっての脅威であり、社会を後退させる人物だ」との批判も行った。
 このように財界の期待を集めているルーラ氏だが、連邦政府の歳出上限法を改定するか否かで陣営が二分している。ルーラ氏は最低賃金を上げたいと考えているし、同氏支援を表明した大統領候補らが要請した政策も取り入れるのは、歳出上限法の下では不可能だ。
 一方、ボルソナロ氏には福音派の大物インフルエンサーの支持がついた。全SNSで計3300万人のフォロワーを誇るデイヴェ・レオナルド牧師は自らのフォロワーに対し、「たとえボルソナロ氏本人を嫌ってもイデオロギーは大切だ」としてボルソナロ氏への投票を訴える運動を展開中。インスタグラムに670万人のフォロワーを持つ福音系自己啓発家のウェンデル・カルヴァーリョ氏は、「ブラジルをチリやコロンビアのようにしてはならない」と、南米の左傾化に警鐘を鳴らす主張を展開中だ。
 この他にもアッセンブレイア・デ・デウス・サンパウロ州支部が、左派系思想を擁護した教会員に罰則を加えることを検討しているとの報道も行われている。

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