《ブラジル》地裁がボルソナロ家疑惑記事の削除を命令=不動産売買の現金支払い問題

UOLスクープ記事を後追いするグローボ記事の一部

 連邦直轄区地裁は23日、サイト「UOL」に対し、ボルソナロ大統領の一家が51軒もの物件を現金払いで購入していた疑惑を報じた記事の掲載をやめ、削除するよう命じた。23日付現地サイトが報じている。
 これは、大統領長男フラヴィオ上議の訴えに連邦直轄区地裁が応えたものだ。ジュリアナ・ダル・ピヴァ氏とチアゴ・エルディ氏が書いた記事では、ボルソナロ一家が90年代から現在にかけて購買した107軒の不動産の内、少なくとも51軒が現金で購入されており、その額は現在の価値で約2600万レアルに及ぶと報道。
 また、これらの不動産の中には、フラヴィオ氏がリオ州議時代に行ったとの疑惑が持たれている、幽霊職員に払った給与の現金での差し戻し(ラシャジーニャ)疑惑で捜査対象となっていた物件も含まれていることなども報じられていた。
 同裁判事のデメトリウス・ゴメス・カヴァルカンチ判事は、「公的文書を含む詳細な調査の末に行われた報道でありながらも、結論部分は推論でしかない」として、該当する記事の削除を命じた。
 この背景には、昨年行われたフラヴィオ氏のラシャジーニャ疑惑に関する高等裁での裁判で、同件に関する捜査が無効にされたことがある。
 この命令を受け、UOLは問題の記事を則座に削除したが、これは「検閲行為」であるとし、控訴する構えを見せている。

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