《ブラジル》道路走るグループ見て客が一斉に逃げ出す=治安の悪さゆえ集団強盗と勘違い

集団強盗だと思い込んだ客が一斉に逃げたと報じる22日付メトロポレ・サイトの記事の一部

 ブラジル北東部ペルナンブコ州レシフェ市で14日夜、店の前の歩道にテーブルを並べて食事や歓談を楽しんでいた人達が、クロスフィットのトレーニングで走っていた集団が近づいて来るのを見て集団強盗だと思い込み、一斉に逃げ出すという騒ぎが起きたが、その様子を映した映像が22日にSNSで流れ、注目を浴びたと同日付テラ・サイトなどが報じた。
 とんでもない思い違いが起きたのは、レシフェ市南部の「アルファイアテ・セルヴェジャリア」という店の前だ。週末のひと時を楽しんでいた人達を慌てて走らせたのは、クロスフィットのトレーニング中の集団だ。
 クロスフィットとは、歩く・走る・起き上がる・押す・引く・跳ぶなどの日常生活で行う動作をベースとした動きを、高い強度で行って全身を動かすトレーニングのこと。
 何人かの男性が集団となって走り寄って来るのを見た一部の客が、「アラスタン」と呼ばれる集団強盗だと思って立ち上がって逃げ出したところ、それを見た他の客も次々にその後を追い、逃げ出した。
 アラスタンは集団で被害者を囲み、携帯電話などの所持品を根こそぎ持ち去るという類の集団強盗犯罪で、少し大きな都市ではかなり頻繁に起きている。
 だが、実際は、クロスフォットのトレーニングの一環として、スポーツジムの生徒達が一緒になって走っていただけだった。
 アラスタンではないと気づいた客達は店に戻って、再び歓談を楽しみ始めたが、テーブルに置きっ放しにした物も含め、何も盗まれていなかったという。
 客や店の関係者は皆、胸をなでおろした事だが、自分達の方に向かって来る集団を見てアラスタンだと思い込む事自体、アラスタンが頻繁に起きているか、少なくとも、そんな事件が起きている事を聞き及んでいる事を示す出来事だ。
 映像が一気に拡散した事も、閲覧した人達にとっても身近な問題だった証拠かも知れない。

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