元シリア難民、サンパウロ州議に立候補=アブドゥルバセット・ジャロール氏

アブドゥルバセット・ジャロール氏
アブドゥルバセット・ジャロール氏

 「サンパウロ州議会で移民や難民を代弁する存在になりたい。ぜひ応援を」――サンパウロ州議会議員選挙立候補者のアブドゥルバセット・ジャロール氏(32、PSB党)が2日、編集部を訪れた。
 ジャロール氏は難民として渡伯し、起業、帰化し、わずか8年で政治家を目指すまでになった若きシリア人だ。渡伯10年以内とはとても思えない流ちょうなポ語を駆使して自らの経歴を語り、当地の難民や移民に対する対応を改善するために政治家になる決意をしたと語った。
 シリアのアレッポ市で経済的に安定した伝統的な家庭の7人兄弟の5番目として生まれ育ったアブドゥル氏。20歳の時に軍役を強いられ、シリア戦争の惨禍を体験した。「町が爆撃を受けて、周囲にいた友人親族はみんな死んだ。なぜか自分だけ生き残り、気が付いたら病院のベッドの上だった」という。
 2014年に戦争難民としてブラジルに到着し、サンパウロ市に住み着いた。イベント業を営む傍ら、難民サッカー大会開催などで知られるNGO組織「PDMG」の創設メンバーとして活動。16年から今年まで同団体の副代表兼プロジェクト・ディレクターを務め、今回の立候補を機に身を引いた。
 アブドゥル氏は「ブラジルの法律は機能していない。ブラジル政府は難民を差別している。今でもたくさんの難民が問題を抱えている。その人らに充実した教育環境とセラピーの場を提供したい」と政治に対する強い想いを語った。

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