日伯津軽三味線奏者が交流=全国優勝の阿部さん来伯参加=「民」と共演、400人が感動

若手民謡グループ「民」と共演する阿部金三郎さん(中央)
若手民謡グループ「民」と共演する阿部金三郎さん(中央)

 民謡普及団体「Tomonari minyo」は8月6日、サンパウロ市イビラプエラ公園日本館で、三味線文化普及、演奏者交流イベント「Shamisen day」を開催した。2005年の全国津軽三味線コンクール優勝者の阿部金三郎さんが来伯参加し、参加者と交流、若手民謡グループ「民」との共演を行った。
 会場では初心者向け三味線ワークショップや来場者の演奏披露会が行われた。ワークショップでは三味線の基礎知識を教え、『ソーラン節』の演奏体験を行い、阿部さんは参加者らに演奏技術に関する助言をしながら交流を図った。
 来場者演奏披露会には、三味線学校の生徒たちや独学者など約140人が参加し、民謡を披露した。
 阿部さんとのフリートーク会では三味線に関する専門的な質問や阿部さんの人生体験について質問が寄せられた。会の締めくくりに阿部さんは「日本では民謡をやる人が減り、それをまとめる機関の力も弱まっています。ブラジルのみなさんの勢いを日本に届けてもっと盛んにしたい。ブラジルでは津軽三味線を伝統的な形そのままに演奏していることに感動しました。ぜひそのスタイルを続けてください」とブラジルの三味線奏者に応援の言葉を送った。
 イベントの締めくくりに、阿部さんがソロ演奏を披露。グループ「民」とも共演し、ステージに集った400人以上の観客を感動させた。
 阿部さんらの演奏を観た今村恵美さん(68歳)は「阿部さんの演奏はとても素晴らしく感動しました。そして、それと同じくらい、ブラジルの若い子たちが一緒に演奏している姿を見られたことが感慨深いです」と述べた。
 阿部さんは「日本の大会に海外の人にもっと来てほしい。大会に出るほどの自信が無いと感じている人が多いかもしれないですが、ブラジルの方々は既に競えるレベルにまで達しています。ぜひ日本に来てください」と呼びかけた。
 イベントを主催した民謡普及団体「Tomonari minyo」の創設者の一人、海藤紀世さんは「約30年間民謡普及を続けてきましたが、今日のイベント成功で強い達成感を覚えています。次の目標は阿部さんと日本でイベントを行うことです」と意気込みを語った。

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