《独立200周年》サンパウロ市でイピランガ博物館が再開=9年間の休館期間を経て

 19世紀からの歴史を持つサンパウロ市南部のイピランガ博物館が6日、9年ぶりに再開した。6日付現地サイトが報じている。1895年創立のイピランガ博物館は市内でも有数の歴史的建築物で、1998年には国立歴史美術遺産院(Iphan)から文化財に指定されている。
 だが、老朽化がひどく、来訪者や従業員への安全性を考慮して2013年8月に一時的に閉鎖された。休館直後からは館内の資料保護のための作業が行われ、16年11月からは建物の状況確認が行われた。
 本格的な改修・改築作業は2019年からはじまり、3年の月日を要した。今回の再開にあたっては、改築のみならず、「記念館」と名付けられた新たな建物も造られ、その規模はこれまでの倍となった。博物館再開には2億2300万レアルを要し、庭園の手入れなどにも1900万レアルを費やした。
 当初の再開は7日の予定だったが、再開記念の式典は6日夜に前倒しされ、サンパウロ州知事やサンパウロ市市長など、当局限定で約800人が招待された。式典ではサンパウロ総合大学(USP)交響楽団により、ブラジルのクラシック音楽の作曲家エイトール・ヴィラ・ロボスが1942年に作曲した「バチアーナ第7番」が演奏された。
 同博物館は1963年からUSPの管轄となっており、同校学長のカルロス・ジルベルト・カルロッティ・ジュニオル氏らが、連邦政府、サンパウロ州政府などの要人を前に祝辞を述べ、再開を祝った。
 なお、7日の入場は学校関係者などに限定され、一般公開は8日からだが、独立記念週間として予定された各種イベントは既に参加予約枠がすべて埋まっているという。

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