堺市母子殺害事件=地元ロンドリーナ潜伏説も=ブラジル人からも非難の声続々

犠牲になった妻子の写真を出しながら報じたポルタル・ミエサイトの記事
犠牲になった妻子の写真を出しながら報じたポルタル・ミエサイトの記事

 大阪府堺市東区で荒牧愛美さん(29)と長女のリリィちゃん(3)を殺害したとして日本で指名手配されたバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(33)がブラジルで逃亡中の件に関し、ブラジルと日本国内のポルトガル語メディアでも報道が始まっている。
 バルボザ容疑者はパラナ州北部ロンドリーナ市出身。同市は州第2の大都市で、日本移民も多く入植していることから、同地の日系団体を束ねるパラナ州連合会の本部も置かれている。
 地元紙フォーリャ・デ・ロンドリーナでは26日から早々に報道を始め、《アンデルソン・ロブソン・バルボザ容疑者は州立ヴィセンチ・リジョ校の卒業生。セントロ区エスピリットサント街にあったバラコバールで働いていた》などと顔写真付きで関連報道を行っている。
 同じく地元ラジオCBNロンドリーナは29日午後のニュースで、《バルボザ容疑者はロンドリーナ市内の親族宅に潜伏している可能性がある。市警殺人課のジョアン・レイス警部は「現在までのところ、バルボザ容疑者が市内にいるという情報は入っていない。ブラジルの警察は、日本官憲からの代理処罰申請を受けて初めて動くことができる。その場合、連邦警察が動くことになるはず。今のところ容疑者の所在は不明だ」と答えている》と報じた。
 日本国内のポ語ニュースサイト「ポルタル・ミエ」によれば、バルボサ容疑者は自身のフェイスブックページに寄せられた侮辱や非難を含む数百のコメントに対して返信をしており、「真実はすぐに明かされる」とコメントを残したが、その投稿自体を29日に削除したという。同記事は503件シェアされ、拡散されている。
 日本のポ語サイト「サウテルナチーバ」が同件を報じたページのコメント欄には、「警察はこの怪物を見つけなければならない、逃亡は有罪である証拠だ」「ブラジルは日本と犯罪人引渡条約を締結していないのでどうにもならないだろう」「残念ながらまた断罪されずに終わってしまうフェミサイド(女性殺人)の件が増えた。卑怯者!」などの非難する声が集まっている。
 事件に関する情報提供は、大阪府警の黒山警察署(電話番号は〈日本〉81・72・362・1234)で受け付けている。

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