《ブラジル》選挙高裁が投票日前後の銃携行禁止に=投票会場から100m以内=銃規制緩和で懸念が増幅

8月30日の選挙高裁(前列左から3人目が報告官のレワンドウスキー副長官、LR Moreira/Secom/TSE)

 選挙高裁が8月30日、統一選投票日とその前後計4日間の銃の携行禁止を全会一致で決めたと8月30日、31日付現地紙、サイトが報じた。
 銃携行が禁じられるのは投票日の前2日間と投票日、投票日の翌日の計4日間。投票会場と選挙地域裁(TRE)が指定した建物から100メートル以内は銃携行が禁止される。
 例外は選挙裁判所の許可を得て勤務中の治安関係者に限られる。この期間中に指定された地域で銃を携行していた場合は、選挙法違反と銃の不法所持に問われる。この規制は、一次投票と決選投票の双方に適用される。
 この判決は9政党からの要請を受けた選挙高裁が、リカルド・レワンドウスキー副長官を報告官として行った審理で下された。
 レワンドウスキー判事は、現在のブラジルは対立が激化し、政治的暴力が右派、左派の様々なグループに影響を与えているとし、銃の携行制限は自由な投票を保証するための措置だと説明。
 同判事は選挙の緊張を悪化させないよう務める事は政治指導者の責任と考えており、名前は挙げなかったが、米国の国会議事堂への侵入事件にも言及した上で、民主主義の擁護という口実でその柱である選挙を弱体化させようとしている当局を批判した。
 今年は例年以上に政治的暴力が多発しており、投票日の銃携行問題はアレシャンドレ・デ・モラエス長官が8月24日に軍警司令官達と行った会合でも取り上げられた。

2017年にリオのガレオン空港で押収された自動小銃(Carlos Magno)

 この日の会合には選挙高裁判事4人と連邦会計検査院(TCU)長官、連邦自治体の軍警司令官か代理27人が参加しており、選挙高裁と全国司令官審議会が指名する委員各3人からなる組織が全国の警察からの情報を解析する事も決められた。
 投票日前後の銃携行禁止措置は初めて。銃収集家、スポーツ射撃の選手や愛好家、猟師のCACと呼ばれるグループの人々が具体的な対象者となる。今回の禁止措置は、政治的暴力増加と、軍による銃所持者の管理不備などを反映している。
 CACの銃所持者はボルソナロ氏による銃規制緩和で増えたが、管理責任者の軍は実態を捕らえきれていないという。銃犯罪増加や銃規制緩和は世論調査でも否定的評価を受けている項目の一つだ。

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