《ブラジル》サル痘で死者2人目=飼い犬への感染例も=感染者数世界3位の約4700人

オズワルド・クルス財団がとらえた細胞分裂中のサル痘ウイルス(Debora F. Barreto-Vieira/IOC/Fiocruz)

 【既報関連】リオ州でブラジルでは2人目となるサル痘による死者が出たと29日付現地サイトが報じた。
 亡くなったのはリオ州カンポス・ドス・ゴイタカゼス市在住の33歳男性で、感染後に重症化し、19日に集中治療室に入ったが、25日に重篤化。最終的に命を落とした。
 同市ではこの他にも3人の感染者がいるが、全員が旅行後の感染判明で、市中感染は起きていないという。
 同市保健局は、男性は重度の基礎的疾患があって免疫力が低下していたため、重症化したと見ている。男性と接触した可能性のある濃厚接触者の経過も観察中で、29日現在では、感染が疑われる症状を呈した人は出ていないという。
 リオ州保健局は国内で2人目、同州では初の死者が出た事を確認後、29日現在の同州の感染者(確認済み)は611人で、検査の結果待ちの疑似症患者は61人と発表した。感染が疑われる人はそれ以外にも474人いるが、感染が否定された人も751人いるという。
 ブラジル初のサル痘による死者は7月28日に亡くなったミナス州在住で、基礎的疾患を持つ41歳男性だった。
 Our Worldo in Dataによると、ブラジルのサル痘感染者が4千人を超えたのは24日の4144人からで、26~28日4472人、29日4693人で、米国とスペインに次いで世界3位だ。
 28日現在の州別感染者はサンパウロが4桁台の2788人で、リオ578人、ミナス253人、ゴイアス189人、連邦直轄区168人、パラナ118人までが3桁台。サンタカタリーナ78人やリオ・グランデ・ド・スル77人、セアラ47人、バイア44人など11州が2桁台など、全国に広がっている。
 事態を重く見た国家衛生監督庁(Anvisa)は26日に治療薬やワクチンの緊急輸入を承認。29日には(国産反応薬は未承認だが)感染確認用の検査キット2万4千回分の緊急使用も認めた。
 国内のサル痘感染は人間だけにとどまらず、25日には月半ばにミナス州で報告された5カ月の飼い犬の症状が、飼い主からの感染例である事が正式に確認されている。

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