Brasil Nipppou Gourmet Banzai!!=サンパウロでミナスを感じるミナス料理店=オ・ミネイロ・プライム

レイタン・ア・プルルッカ

 サンパウロ市地下鉄コンソラソン駅から徒歩5分。飲み屋が盛んなアウグスタ通りすぐそばのミナス料理店『オ・ミネイロ・プライム』へ足を運んだ。

 同店の外観は木材とレンガで揃えられ、重厚だが温かみがある。店内は白とライトベージュを組み合わせた意匠で、優しい印象を与えるとともに、モダンなイルミネーションがオシャレな雰囲気を醸し出している。平日には200~300人が来店するという。
 対応してくれたのは、勤続4年目ミナス州出身のライス・アルメイダさん。「サンパウロの人はミナスの人より冷たい感じ。もう慣れたけど気軽にお客さんが話をかけてくれると故郷を思い出してホッとする」と言う。
 そんなアルメイダさんのおすすめは、ミナス名物「レイタン・ア・プルルッカ(Leitão à pururuca)」だ。これは「子豚の油揚げ」という意味で、豚肉をカリカリと香ばしく揚げた料理だ。
 注文すると、テーブルには1皿4つ盛りのその料理とフェイジョン・トロペイロ、コウヴェ(ケールの炒め物)、マンジオッカ・フリット(キャッサバ芋の揚げ物)、白ご飯が並んだ。
 フェイジョン・トロペイロはミナス名物料理の1つで、茹でたフェイジョン豆をベーコン、玉ねぎ、ニンニク、玉子、ケール、キャッサバ粉と炒めた料理だ。

内装

 早速、お目当てのレイタン・ア・プルルッカを口に運ぶ。一口。想像を超えるカリカリさに驚きが隠せない。揚げた豚肉の香ばしさが鼻を抜け、肉汁が勢いよく口の中に溢れてくる。肉汁からはニンニクやレモンの風味が。一口ごとに店の料理へのこだわりを感じる。
 続いてフェイジョン・トロペイロ。ベーコンやニンニクの味が強いかと思いきや、フェイジョン、玉子、キャッサバ粉が包み込むような優しい味わいを醸し出している。
 レイタンの強烈な旨さとフェイジョン・トロペイロの優しい味わいの組み合わせは「笑顔がよく似合う気さくなミナス州人に、勢いよく手を引っ張られながら、あちこちを連れまわされ、最後に優しくぎゅっと抱きしめられる」ようなイメージを想起させた。
 フェイジョン・トロペイロに添えてある揚げた豚の皮はプルルッカと呼ばれている。こちらの食感は柔らかで、豚肉のまろやかな旨味が味覚にソフトタッチしてくる。
 濃い味の後にはマンジオッカ・フリットに手を伸ばす。衣はサクサクしており、レイタンと同様油っこさを感じさせない。まさに同店の揚げ物は「プライム(極上)」だ。
 白ご飯はブラジル特有のパラパラしたもので、しっかりと味が付けられており、口を寂しくさせない。コウヴェはニンニク風味だ。
 同席者との会話も弾み、満面の笑みを浮かべながら完食した。
 レイタンは3人前120レアルから注文でき、ファミリーサイズは170・90レアルだ。
 アルメイダさんはこの他にも「ジョエーリョ・デ・ポルコ(豚の膝)」一人前53・90レ、ファミリーサイズ168・90レや、「メシーダ・ミネイラ(ミナス風炒飯)」一人前47・90レ、ファミリーサイズ148・90レ、「フェイジョアーダ」一人前48・90レ、ファミリーサイズ154・90レを薦めた。
 アルメイダさんはメシーダ・ミネイラと一緒に出される「トゥトゥ(フェイジョン豆のスープをベーコンなどで味付けし、キャッサバ粉でペースト状にしたブラジルの伝統料理)」が特に好きだと言う。
 さらに、豚のあばら部位を使ったスープ「カンジキーニャ」や、トウモロコシ粉とケールのスープ「バンバー・デ・コウヴェ」、フェイジョン豆と麺が入ったスープ「スペシャル」(各一人前30・40レ)も寒い日の多い最近はおすすめだという。
 午前11時から午後6時には、プラット・エゼクティーボ(定食)が一人前20~30レとお手頃価格で提供され、午後7時からのおつまみ食べ放題「トゥード・ア・ヴォンターデ」では、プルルッカ、豚あばら肉、ガーリックブレッド、揚げキャッサバ、フランゴ・ア・パッサリーニョ(ブラジル風唐揚げ)が楽しめ、人気を集めている。

外観

 同僚との昼食に、仕事帰りの飲み会に、週末の家族や友達との食事会にもうってつけのレストランだ。
 『オ・ミネイロ・プライム』は、月~木曜日午前11時から午後11時半、金~土曜日午前11時から午前1時、日曜日は午前0時まで営業。予約・問い合わせは同店(電話:11・3262・1764/住所:Rua Antônio Carlos, 282)まで。

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