《ブラジル》候補公認期間終了で意外な出馬や断念相次ぐ=ウニオンは無名の大統領候補=テベテは女性同士のシャッパ

ソラヤ氏(Roque De Sa/Agencia Brasil)

 10月の選挙の候補者公認のための党大会の期限が5日に終わり、候補者やシャッパ(連立名簿)が続々と発表されたが、意外な女性候補の存在などが注目を受けている。6〜8日付現地紙、サイトが報じている。
 大統領選の出馬を巡っては、世論調査で名前があがりながらも断念した候補や、予想外の出馬などの例が見られた。
 まず4日に支持率4位ながら断念し、ルーラ氏(労働者党・PT)支持を表明したアンドレ・ジャノーネス氏(アヴァンテ)に続き、6位のパブロ・マルサル氏の公認が差し止められた。
 これは、所属の社会秩序共和党(PROS)の権力争いに起因するもので、党からの候補者を立てずにルーラ氏を支援したいエウリピデス・ジュニオル氏と、マルサル氏を擁立したいマルクス・オランダ党首の間でもめていた。
 7月31日にはエウリピデスがルーラ氏支援を記者会見まで開いて発表も、3日には高等裁が「党の権限はオランダ氏」と判断を逆転。だが5日、選挙高裁のリカルド・レヴァンドウスキー最高裁判事が、権限をエウリピデス氏に戻して再逆転となった。マルサル氏は選挙高裁に控訴する意向だ。
 一方、ウニオン・ブラジルは5日、大統領候補としてソラヤ・スロニッケ氏を擁立することを発表した。同党は党首のルシアノ・ビヴァール氏が出馬を撤回後、前身党の社会自由党(PSL)時代の同氏とボルソナロ大統領が対立した経緯からルーラ氏を推すと見られていたが、全国的には無名のマット・グロッソ・ド・スル州の女性上議擁立という意外な結果となった。
 ソラヤ氏は保守派として知られているが、ボルソナロ氏の過激な極右路線には反対の立場を兼ねてから主張しており、同氏の支持者から批判を受けている。ソラヤ氏はサンパウロ州知事選では現職のロドリゴ・ガルシア氏(民主社会党・PSDB)を推すことが予想されており、旧来型の保守のイメージだ。
 一方、同じくマット・グロッソ・ド・スル州の女性上議であるシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)は2日、副候補として「車椅子の上議」として有名なマーラ・ガブリリ氏(PSDB)を迎えると発表。女性同士のシャッパとして注目されている。また、テベテ氏はPSDB、シダダニアに続き、5日に保守政党・ポデモスの支持取り付けも発表。選挙放送でルーラ氏、ボルソナロ氏に次ぐ放送時間を確保している。
 一方、難航していたサンパウロ州知事候補のフェルナンド・ハダジ氏(PT)の副候補がルシア・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)に決まった。ルシア氏はハダジ氏の上議候補のマルシオ・フランサ氏の妻で、サンパウロ州内では有名な教育者として知られている。
 また、7日にバンデイランテス局で、9州と連邦直轄区の知事候補たちが討論会を行ったのを皮切りに、選挙期間中の恒例となっているテレビ討論会もはじまっている。
 各党の党大会で公認された候補の選挙裁判所への出馬登録期限は15日で、16日からはインターネットや宣伝カーなどを使った選挙キャンペーンも解禁となる。

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