特集=天理教ブラジル伝道庁創立71周年迎える=ブラジル各地から1900人が祝いに=3代庁長就任奉告祭を併催

 天理教ブラジル伝道庁(村田薫庁長)は、創立71周年記念祭と3代庁長就任奉告祭を7月10日にサンパウロ州バウルー市の同伝道庁で執り行い、バイーア、レシーフェ、アマゾナス、ベレン、フォルタレーザなどブラジル各地から1900人以上の信者が参集した。
 記念祭並びに奉告祭は伝道庁内の神殿で午前9時から始まり、村田庁長による親神への『祭文奏上』の後、真柱様のメッセージを中田善亮表統領が代読した。
 真柱様は、メッセージの中で、伝道庁が設立されてから71年が経ったが、建物や顔ぶれは変わっても、伝道庁に任された役目は今後も受け継がれていくと述べ、「ぢば(奈良県天理市にある聖地)と地方を繋ぐパイプ役として、ぢばの理を、管轄する地域へ誤りなく流す」ことと伝道庁の役割について語った。
 参拝者に対しては、「同じ国に住み、同じ教えを信じる道の兄弟として、互いに打ち解けて、扶け合い、勇ませ合い、お互いの心の成人を目指す努力が、ブラジルの道の進展を御守護頂くことに繋がる」と激励した。
 おつとめ奉仕者による『座りづとめ・てをどり』が行われ、その様子は別設の4会場に同時中継された。

花束贈呈、記念歌斉唱=盛大な慶祝セレモニー

 記念式典の後、神殿前にて慶祝セレモニーが催され、少年会ブラジル団鼓笛隊と伝道庁ブラスバンドによる演奏のほか、村田雄治前伝道庁長へのオマージュが行われた。村田前庁長が挨拶し、前庁長夫妻と新庁長夫妻に花束が贈呈された。
 世界各国の伝道庁から祝辞が届き、ポルトガル語、日本語と手話で読みあげられた。最後に、鼓笛隊とブラスバンドの演奏で『創立70周年の歌』が盛大に合唱された。
 セレモニー後は新型コロナウイルス感染予防の観点から会食は行われず、弁当が配布された。

教え受け継ぎ良い社会を=記念祭参加者らの声

 参拝者の一人、クリスチアーネ・サントスさん(33歳)はパラー州から計9時間かけて来た。サントスさんはあらゆるご守護の源泉地、親里である「ぢば」へ足を運んで参拝する「おぢばがえり」の経験を持っており、「ぢばはまさに実家のように落ち着きが感じられ本当に心地がいい場所。ここ(伝道庁)もぢばの近くにいるような気がして心地がいい」と語った。
 サンパウロ州バストス市からバウルー市へ観光に訪れ、記念祭に偶然立ち寄ったカトリック教のロナルド・ルフィーノさん(45歳)は91年に天理教のキャンプに参加したことがあり「キャンプはいい思い出だ。とても居心地がよかった。みんなでいろいろ協力して作業を行ったり、掃除したり。友達がたくさん出来てとても楽しかった」と当時を振り返った。
 ルフィーノさんに同行していた妻のアナ・マリアさん(40歳)はこれまで天理教と関りを持ったことがなく「バストス市で日系コミュニティによく触れているせいか、違和感は無かった。音楽など体感的な祈りをしているみたい」と印象を語った。
 単身来伯し、71年からパラナ州マリンガ市で天理教の布教に励んできた今治伸義さん(73歳、広島県)は「私たちは人がお互いに扶け合う『陽気ぐらし』を育んでいてね、自己中心的な考えじゃなくて他者の幸せを願ってみんなが幸せになるようにするんだ。今日は若い子供達の一生懸命な姿を見れて嬉しいね。彼らにも教えを受け継いでもらっていい社会にしてほしいよね」と温かい微笑みを浮かべながら話した。

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