《ブラジル》サル痘で初の死者=感染者も1千人の大台超す

サル痘に感染した4歳女児の右腕と右足に生じた病変。1971年にリベリアで撮影(not listed, Public domain, via Wikimedia Commons)

 【既報関連】保健省が29日、ブラジルでも遂にサル痘(ヴァリオラ・ドス・マカコス)による死者が出た事を認めたと同日付現地サイトが報じた。
 同省によると、ブラジル初のサル痘による死者はミナス州ウベルランジア在住の41歳の男性で、リンパ腫の治療中で免疫力も低かったため、サル痘感染で病状が悪化。ベロ・オリゾンテ市のエドゥアルド・デ・メネゼス病院に入院後、集中治療室に移されたが28日に亡くなった。この男性はアフリカ大陸以外では初の死者だ。
 世界では今年既に5人の死者が報告されていたが、これらの死者は皆アフリカ大陸在住者だった。29日午後にはスペインでも、アフリカ大陸以外で初の死者が出たと報じられたという。
 サンパウロ市保健局は28日、4~6歳の子供3人がサル痘に感染している事が確認されたと発表している。感染した子供は6歳の女児2人と4歳の男児1人で、女児の1人は親戚がサル痘にかかっていたために感染した事が確認されているが、残る2人の感染経路は確認中だ。3人の症状は皮膚の水疱とリンパ節の腫れ、発熱で、全員が自宅で隔離療養中で、当局の観察下に置かれている。
 サンパウロ州では13歳と14歳の少年3人の感染も確認されている。2人はサンパウロ市在住で、もう1人はサンパウロ大都市圏オザスコ在住者だ。3人の感染経路は現在調査中だという。この時点でのサンパウロ州の感染者は818人と発表された。
 27日現在の感染者はサンパウロ州744人、リオ州117人、ミナス州44人、パラナ州19人、連邦直轄区15人、ゴイアス州13人、バイア州5人、サンタカタリーナ州とセアラー州各4人、リオ・グランデ・ド・スル州とペルナンブコ州各3人、リオ・グランデ・ド・ノルテ州とエスピリトサント州各2人、トカンチンス州、アクレ州、マット・グロッソ・ド・スル州各1人の計978人だった。
 29日はサンパウロ州823人、リオ州124人のように複数の自治体で感染者が増加。16連邦自治体で1066人と報じられている。

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