《ブラジル》建設業のGDP成長続く=金利引き上げ等の壁はあるも
ブラジル建設業界協議所(CBIC)が25日、2四半期連続で建設業界の国内総生産(GDP)の成長見込みを上方修正したと同日付現地サイトが報じた。同日発表されたのは「建設業の経済的パフォーマンス―2022年第2四半期」と題する報告書だ。
CBICのエコノミストのイエダ・ヴァスコンセロス氏によると、今年の建設業界のGDPは3・5%成長する見込みで、2年連続で国内のGDPの成長率を上回ると見られているという。
同氏によると、2014年から今年までのGDPは23・44%落ち込んでいる。だが、ここ2年間の業績は改善しており、下半期には、雇用増などに伴う家庭消費の増加で、小規模の建設や改修が増えると見ているという。
もう一つの肯定的な要因は、政府の持ち家政策のカーザ・ヴェルデ・エ・アマレラで対応する家庭の収入額が見直され、同政策を利用して持ち家を購入できる家庭の収入の上限が月額8千レアルに引き上げられた事だ。同業界では、これによって家屋購入を考える人が増えると見ている。
地理統計院(IBGE)によると、建設業界のGDPは季節調整後の比較で、7四半期連続で前期比増を記録している。建設業界のGDPの集計は1996年に始まったが、7四半期連続での前期比増は初めての事だ。
ヴァスコンセロス氏は「この数字は2020年第3四半期以降の業績が回復傾向にある事を意味する」とし、非常に肯定的な結果と評価している。
他方、資材不足や原材料高騰は8四半期連続で、47・7%の企業が最大の問題に挙げた。炭素鋼のロッドとワイヤーは2年間で99・60%、鉄鋼パイプやフィッティングも89・43%値上がりしている。経済基本金利(Selic)上昇は29・8%が、熟練労働者不足は20・3%が指摘している。
他方、雇用はパンデミック前より増え、2015年11月を上回る程回復したという。