《ブラジル》サル痘患者が700人超す=止まらない増加の勢い=予防接種入手生産を検討

サル痘の患者の手(OMS/Divulgação)

 【既報関連】感染者が75カ国で1万6千人を超え、死者も5人出ている事で、世界保健機関(WHO)が23日、サル痘で緊急事態を宣言した。これを受け、ブラジル保健省も予防接種ワクチン購入に動き始めたと23~25日付現地紙、サイトが報じた。
 WHOの緊急事態宣言に関して、ブラジルの専門家達は20日以降、いつ出ても不思議ではないと見ていた。
 感染症の専門家はブラジルではサル痘の診断を下すための訓練を受けた医師が少ないため、対応が遅れたと指摘。国民や現場への警告も後手に回ったと批判している。他方、保健省は宣言後、WHOと予防接種ワクチン入手のための交渉を始めた事を明らかにした。
 保健省が25日朝発表したブラジルのサル痘感染者は696人で、506人はサンパウロ州で確認された。以下、リオ102人、ミナス33人、連邦直轄区13人、パラナ11人、ゴイアス14人、バイアとペルナンブコ各3人、セアラーとエスピリトサント、リオ・グランデ・ド・ノルテ各2人、サンタカタリーナとマット・グロッソ各1人となっている。だが、この数字は23日現在のもので、前日からの24時間では89人増加。25日も疑似症患者や感染者の報告が続いており、サンパウロ州保健局は同州の感染者は538人に増えたと報告している。
 米国では子供の感染が2例報告されている他、ブラジルでも未成年者の擬似症例が少なくとも2例報告されており、感染者や疑似症患者の隔離、手指や汚染された可能性のある物の表面の消毒、マスク着用、社会的距離の確保などの必要が再度推奨されている。
 なお、ブタンタン研究所はサル痘ワクチンを生産している欧州の研究所と技術移転の交渉を進めており、国内生産に向けた動きが具体化しつつある。

★2022年7月22日《ブラジル》サル痘感染者が592人に=僅か1日で31・8%増加=サンパウロ州では1週間でほぼ倍に
★2022年7月8日《ブラジル》サル痘感染者142人に=約3分の2はサンパウロ州で発生
★2022年7月5日《ブラジル》サル痘感染者が倍々ゲームで激増=3日現在で76人に

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