サンパウロ母婦人会=サントス強制立ち退き者を追悼=安倍元首相の冥福も祈る

『群星』サントス特集号を手に、ミサの最後に呼びかけをする島袋さん
『群星』サントス特集号を手に、ミサの最後に呼びかけをする島袋さん

 サンパウロ母婦人会(吉田ローザ会長)によるサントス強制立ち退き者を追悼するミサが、サンパウロ市のサンゴンサロ教会で7月10日に行われた。山本伊三男神父が司祭を務め、約30人が参加した。
 追悼ミサは毎週日曜午前8時に行われる日本語ミサの中で行われ、亡くなった同婦人会関係者への冥福が祈られると同時に、直前8日に銃撃された安倍晋三元総理への祈りもしめやかに捧げられた。
 強制立ち退き事件が起きた当時のサントスには沖縄県人が多く住んでおり、追悼挨拶に立ったブラジル沖縄県人会の島袋栄喜元会長は「1943年7月に6500人の日本移民が、サントス海岸地帯から24時間以内の強制立ち退きをさせられ、大変な苦労を背負うことになった。この歴史は日系移民史にも詳しく書かれていないし、ブラジルの近代史にも記されていない。だから沖縄移民塾が調査を行い、この度、『群星』別冊でこの特集号を刊行した」と本を掲げた。
 さらに「松林要樹監督が作ったドキュメンタリー映画『オキナワ サントス』にポルトガル語の字幕を付ける作業が終わり、いよいよ8月21日から上映会を始めることになった。我々の先輩移民が被ったこの歴史を忘れないように、別冊を読み、映画をぜひ見に来てほしい」と呼びかけた。

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