《ブラジル》謎の「豪邸廃墟の女」宅に捜査=米国で奴隷労働させた過去も

「豪邸廃墟の女」を印象付けた投稿写真(Instagram/@amulherdacasaabandonada)

 米国で心身障害者を奴隷状態で監禁していたという疑惑の過去を持つ女性が所有する、サンパウロ市の高級住宅街イジエノーポリスにある豪邸廃墟が捜査され、話題となっている。「豪邸廃墟に住む謎の女」としてポッドキャストで放送され、一部で話題になっていた。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
 マルガリーダ・ベロッティ氏(63)は、廃屋となったイジエノーポリスの豪邸にひとりで住んでいた。この日の捜査は、近隣住民から「精神状態が疑われる女性が廃墟に住んでいて、助けが必要な状態だ」との通報を警察が受けたために行われた。
 マルガリーダ氏は20年ほど前まで米国に住んでいた。だがその時、心身障害者を20年近く監禁し、奴隷のような状態で働かせていたという嫌疑で、FBIの捜査対象となっていた。マルガリーダ氏は逮捕を逃れるためにブラジルに帰国し、サンパウロ市の豪邸廃墟で一人で暮らしていた。

捜査を受けるマルガリーダ氏の廃屋(Twitter)

 マルガリーダ氏のことは今月、人気作家のシコ・フェレッティ氏の「豪邸廃墟の女」と銘打ったシリーズもののポッドキャスト放送で紹介され、有名になっていた。この話に興味を持ったリスナーが、この廃屋を観光スポットのようにして訪れるようになり、携帯アプリのTik Tokで廃屋付近に潜入する体験レポートを行う人も現れていた。この放送の最終話では本人へのインタビューも行われている。
 20日の捜査を担当した警官によると、マルガリーダ氏が家の中に入れるのを拒んだため、警察は窓を壊して屋内に入った。同氏は警官や、同行した人権活動家にも暴行を加えようとしたという。
 警察が撮影した写真によると、家の中は荒れ放題で、食べ物の残りかすが方々に散らかった状態だった。この家には以前、飼い犬がいたが、放置されていたため、保護されたことがあったという。
 警察によると、米国での容疑は時効が成立しており、マルガリーダ氏が逮捕されることはないという。同日は医師も呼ばれ、彼女を診察。健康状態は良好だったという。

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