【12日の市況】小売業が石油会社の損失を相殺してボベスパ指数は小幅上昇、景気後退懸念でドル高5.43レアルに


 米国の慎重姿勢、欧州の危機、中国の新たなロックダウンの可能性が、コモディティと金利を押し下げた。Ibovespaは火曜日(12日)、98,271ポイントで0.06%のわずかな高値で取引を終えました。ブラジル証券取引所の主要株価指数は、米国に続き、取引セッションの終盤に上昇幅を大きく失ったが、何とか安定的に終えた。

 ニューヨークでは、ベンチマークが高値を維持できず、後退した。ダウ・ジョーンズは0.62%、S&P500は0.92%、ナスダックは0.95%それぞれ下落した。
 この日は全般的にリスク回避の動きが強く、ドルはこれを受けて、他の通貨に対して上昇を続けている。今日のハイライトは、ドルとユーロの間に20年間見られなかった「1ユーロ=1ドル」のパリティを伴ったことだ。
 米国では、消費者物価指数(CPI)の発表や決算期を控え、投資家は引き続き慎重な姿勢で臨んだ。恐怖指数と呼ばれるVIXは4.01%上昇し、27.32ポイントとなった。
 米国のほか、ロシアがメンテナンスのために閉鎖しているガスパイプラインNord Stream 1の通行を再開しないのではないかという懸念も、専門家の心理に重くのしかかっている。そうなれば、旧大陸はエネルギー価格の高騰と経済の後退、あるいは停滞というスタグフレーションのシナリオに直面する可能性がかなり高くなる。
 2年半余り前に新型コロナウイルス感染症の流行が世界で初めて確認された中国の武漢市では、コロナ感染が再び広がり、今回はコレラ感染が確認されて関係各所が封鎖されたと報道され、いよいよ世界同時不況の予感を高めている。
 このような成長率低下のシナリオはすべてコモディティの下落につながり、イボベスパ指数の急激な上昇を妨げた。ブレント原油の価格は7.38%下落し、1バレル98.18米ドルで取引を終えた。中国では、大連港で鉄鉱石1トンの価格が4.97%下落し、105.13米ドルとなった。
 Ibovespaに関しては、指数に大きなばらつきがあった。小売セクターの企業が非常に高い株価を記録した一方で、コモディティ輸出企業は業績を圧迫した。
 指数の下落率が最も高かったのは3Rペトロリアム(RRRP3)株で、7.01%減少した。下落率で見ると、ペトロブラスの普通株(PETR3;PETR4)が1.96%、優先株が1.50%下落し、目玉となった。

コモディティ下落の影響はIbovespaにとどまらない

 コモディティの下落は、このセクターの企業に直接影響を与えるだけでなく、ブラジル市場にも別の影響を及ぼしている。
 非製造業製品の下落は、ドルの価値がレアルに対して1.27%上昇し、5.439レアルで取引を終えたことも一因となった。コモディティ価格の下落はブラジルの貿易収支に打撃を与え、前述の世界的なリスク回避の動きとともに感じられる。DXYは0.14%上昇し、108.17ポイントで取引を終えた。
 一方、コモディティの下落は、イールドカーブへの圧力を弱め、インフレ率の低下を見込み、一部の株式を押し上げた。
 2023年DIの利回りは6bp低下の13.84%、2025年DIの利回りは19bp低下の13.05%であった。2027年型と2029年型のDIの利回りはともに15ポイント低下し、12.92%と13.05%であった。2023年向けDIの利回りは13ポイント低下し、13.12%となった。
 市場はコモディティが原因で世界中のインフレ率が下がることを見越しており、これは、小売業が高く評価されていることの一因でもあると見る専門家もいる。
 Ibovespaの上昇株は、まさに、このセクターの株式でだった。マガジンルイザ(MGLU3)のON株式は11.41%、ビア(VIIA3)のもの、9.44%、およびアメリカナス(AMER3)、8.26%上昇した。小売セクターはインフレ指数の低下や、最近発表された経済支援策によっても恩恵を受けている。
 コモディティの下落は、インフレ率の低下という見通しとともに、投資家が輸出企業の株式を離れ、国内市場に焦点を当てた企業を探すというポートフォリオの回転を生み出していると指摘するエコノミストもいる。

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