《ブラジル》アマゾン殺害事件「ありがとう、ブルーノ!」先住民酋長が葬儀で感謝=敬意こめて棺桶に神聖なマント

アマゾナス州都マナウスのインディオ保護局前で抗議活動をするインディオ(Foto: Alberto César Araújo/Amazônia Real)

 【既報関連】ペルナンブコ州レシフェ大都市圏パウリスタで24日、先住民活動家のブルーノ・ペレイラ氏の葬儀が行われ、シュクル族のマルキーニョス酋長が同氏への感謝と誓いを述べたと同日付現地サイトが報じた。
 アマゾナス州ヴァーレ・ド・ジャバリで英国人ジャーナリストのドム・フィリップス氏と共に殺害されたペレイラ氏の遺体は23日に遺族に引き渡され、24日朝の葬儀の後、火葬に伏された。
 ペルナンブコ州ペスケイラ市オロルバー山脈に住むシュクル族は「ドムとブルーノのための正義を」と書いた横断幕や写真を掲げ、儀式の歌「トレー」を歌い、踊りながらモラダ・ダ・パス墓地までやって来た。
 同氏の棺はペルナンブコ州旗とレシフェのスポーツクラブの旗、ヴァーレ・ド・ジャバリ先住民連合(Unijava)のロゴ入りのシャツで覆われていたが、シュクル族は先住民のために戦って命を落とした同氏への敬意を込め、「神聖なマント」も捧げた。
 マルキーニョ氏は、「ありがとう、ブルーノ!」と謝辞を述べ、「ドムとブルーノは一人ひとりの心の中と神聖な森の中で生きている」と語った。また、「真剣な政策が採られていたら今回のような事件は起きなかった。この国では今も、複数部族が虐殺された1500年代と同じ状態が続いている」とし、先住民やアマゾンの森を守る戦いを続ける決意も語った。

 ペレイラ氏は隔絶地域に住む先住民に関する有数の専門家で、ペルナンブコ連邦大学でジャーナリズムも学んだ後、先住民保護に関する報道映画に参加する予定だった。
 同氏と共に現地を巡り、先住民やアマゾンの森を守る働きや隔絶された地域の部族の事などを世界中に発信していたフィリップス氏の葬儀は、26日午前9時からリオ州ニテロイ市で行われる。
 23日には、殺害現場に居合わせた男性が4州にわたる逃亡生活の末に辿り着いたサンパウロ市で、良心の呵責に耐え切れず、警察に出頭。警官の尋問に「ペラードが撃った」などと語るビデオも流れた。この「ペラード」が最初の逮捕者のぺラード容疑者か、3人目のペラード・ダ・ディニャ容疑者かは不明だが、真相解明への戦いも続いている。

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