《ブラジル》高等裁が大麻の栽培を承認=ブラジル初の判決内容で判例に

高等裁が大麻の栽培を認めたと報じる14日付G1サイトの記事の一部

 14日、高等裁(STJ)小法廷が、医療目的での大麻の栽培を認めた。ブラジルの裁判史上初の判決は、同様の裁判の判例となる。14、15日付現地紙、サイトが報じている。
 この判決を出したのは第3審を担当する高等裁の第6小法廷で、医療目的での大麻の栽培と成分抽出を認めるよう求めて控訴した患者3人とその家族の例は犯罪にはあたらないとの判決を下した。カンナビジオールオイルの薬効は認められており、処方箋があれば輸入もできるが、高価なため、成分抽出栽培と目的栽培許可が求められていた。
 連邦検察庁のジョゼ・エラエレス・マルケス副長官は、「重病患者のための大麻栽培は緊急避難とも呼ばれる違法性排除の対象となり、犯罪とはみなされない」との見解を述べた。
 それに対し、1件の訴状の報告官のロジェリオ・シエッティ判事が、「この件は国家衛生監督庁(ANVISA)や保健省も審議の重要性を認めながらたらい回しにしてきた。だが、向かい合わなくてはならない時だ」と前置きした上で。「道徳を主張する偏見を持つ人たちがこの主題に関する議論の発展を遅らせるのを止めなければならない」として栽培を認めるとした。
 また、もう1件の報告官のセバスチャン・レイス判事も、「これ以上黙っているべきではない」として栽培に賛成した。
 この結果、医療目的での大麻栽培と栽培や成分抽出のための講座への参加は満場一致で認められた。栽培や成分抽出の許可は原告患者3人とその家族へのものだが、高等裁以下の裁判所で抗争中の案件の判例扱いとなりうる。

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