《ブラジル》アマゾン失踪事件=在英ブラジル大使館がミス認める=2人の遺体発見との情報は誤報

捜索活動中の連警警官(Superintendencia da Policia Federal no Amazonas)

 【既報関連】13日朝、5日に消息を絶った英国人ジャーナリストのドン・フィリップス氏とブラジル人の先住民活動家ブルーノ・ペレイラ氏が遺体で見つかったとの報道が流れた件で、英国のブラジル大使館が14日、誤った情報を流したとしてフィリップス氏の家族に謝罪したと14日付ブラジル国内サイトが報じた。
 失踪した二人の遺体はまだ見つかっておらず、捜索は14日も続いている。同事件は国内外で大きな反響を呼び、一刻も早い解決を求める声が日増しに高まっている。
 政府の対応の遅れやアマゾンの治安悪化に対する不満の声は、12日以降、二人の家族や関係者、先住民、国立インジオ保護財団(Funai)職員などによる抗議行動という形で連日表出。その場所も、リオ市などの州都や失踪現場に近いアタライア・ド・ノルテ市、ブラジリアの法務省前など、各地に広がっている。
 また、上院は13日に同件に関する議会調査委員会(CPI)を開設する事を承認。下院でも14日に公聴会を開いており、ペレイラ氏の妻ベアトリス・マトス氏が、真実かつ詳細な応答を求めた。
 他方、現地では関係者からの事情聴取なども続いている。唯一の逮捕者であるアマリウド・ダ・コスタ・オリヴェイラ容疑者(通称ぺラード)の妻は10日に事情聴取を受けたが、夫の逮捕や失踪事件については余り語らなかったという。
 オリヴェイラ容疑者自身は事件への関与を否定しているが、目撃証言の中には、失踪した二人がサンラファエルと呼ばれる部落を出た直後に、彼が銃や銃弾を持って部落を出たとか、別の猟師が川を移動する人に相乗りさせてもらって彼と合流したといったものも混じっている。
 事件後は、この事件は氷山の一角で、法定アマゾンでの犯罪増加への対応や先住民の人権、環境擁護は急務といった連邦政府への声がより高まっている。

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