県連日本祭り=市川会長、3年ぶり開催へ意気込み=「ポッドキャスト」も導入

日本祭りのポスター
日本祭りのポスター

 ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、市川利雄会長)主催の第23回日本祭りが7月15日~17日、サンパウロ市のサンパウロ・エキスポ(Rod. Dos Imigrantes Km1.5)で3年ぶりに開催される。「夢を現実に」をテーマにした同祭では、従来の対面式でのイベント実施とともに、「ポッドキャスト」と呼ばれる音声や動画等のデータをインターネット上に公開するシステムの導入により、さらなる若者の集客も行う考えだ。開催を1カ月前に控え、市川会長に日本祭りの準備状況など話を聞いた。

 6月10日現在、同祭には41県人会と日系福祉7団体が参加することが決定しており、食関連ブースは44軒(県人会と福祉団体混合ブースを含む)に上る。また、会場面積が例年より縮小されることから、各種イベントを披露する舞台は一つにまとめられる。
 コロナ禍の影響で2020年、21年は中止となった同祭では昨年、会場費としてサンパウロ・エキスポ側に支払っていた130万レアルのうち2割(26万レ)を回収。さらに、会場面積縮小により、計34万レが返金され、昨年5月に助成を受けていた宮坂国人基金からの10万レを合わせた44万レを当座の運営資金として活動しているそうだ。
 一方、今回の同祭の総予算は470万レアルに上り、コロナ禍で従来のような企業等からの安定したスポンサー収入が見込めない中、来年の開催準備費用も含めて赤字になる可能性も否めないという。
 県連ではすでに、インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)等のデジタル・マーケティングにより、広報活動を実施。インターネットでのアクセス数が20万件を超えているそうだ。
 また、昨今のコロナ禍の収まりとともに、ブラジル内では人々が密集する場所を除いてマスクの着用義務が解除されている状況だが、同祭期間中の会場内では来場者の感染対策を行いながら実施する考えだ。
 一方、3年ぶりの開催によるブランク(空白期間)の影響で、特に食のブースでの各団体の対応が円滑にできるかの懸念もあるという。市川会長は「来場者ができるだけ列に並ばなくても対応できるように、インターネットによる事前の注文受付等を行うことも考えている」と話している。
 今年4月頃からのコロナ禍の収まりにより、モジ・ダス・クルーゼス、マリリア、ブラガンサ・パウリスタなど各地で日本祭りが開催され、盛況を博している。そうした中、「予想より50%以上の来場者があった」等との声を各地から伝え聞いているという市川会長は、今回の県連日本祭りも予想を上回る来場者の可能性があるとしながら、3日間で約16万人の入場者数を見込んでいる。
 市川会長が今回の日本祭りで特に力を入れているのが、JICAの助成金により購入した「ポッドキャスト」システムの導入だ。日本文化、和食、日本の先端技術等を紹介する事前の動画制作とともに、漫画、ゲーム、コスプレなど若者が興味を示すポップ・カルチャーの映像等を日本祭り期間中に発信する準備も進めているそうだ。
 市川会長は「今までやってきた日本祭りの蓄積とともに、特に20代を中心とした若者層のアイデアや活動を取り入れたい。どこまで出来るかは分からないが、ここまで来た以上、やっぱり日本祭りは続けていかないといけない」と意気込みを示した。
 なお、今後、日本祭りの具体的内容が決定しだい、告知していく。

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