《ブラジル》最高裁第2小法廷で大統領派下議、再び罷免に=カシオ判事の判断をまた却下

 10日、最高裁の第2小法廷は、カシオ・ヌネス・マルケス同裁判事が任期を回復させたボルソナロ大統領派の下議ヴァルデヴァン・ノヴェンタ氏を、判事投票3対2で選挙高裁の判決通り、罷免とすることを決めた。10日付現地サイトが報じている。
 この件は、2018年の選挙でセルジッペ州選出下議に当選したヴァルデヴァン氏が、自身の権力を行使して票を買ったとの疑惑を持たれたものだ。同氏は86もの団体に1050レアルずつの献金をさせた9万300レアルが未申告で、秘密口座に振り込まれていたことから、これらの団体と票の取引をしたと疑われていた。
 ヴァルデヴァン氏は2020年5月に地域選挙裁で議席剥奪の判決を受け、控訴したものの、2022年4月に選挙高裁でも有罪となり、罷免となった。だが、今月2日にカシオ判事がその判決を覆す司法判断を行って任期を回復させていた。
 ヴァルデヴァン氏に対する司法判断の是非を問う審理はこの日の午前0時からヴァーチャルで行われた。報告官はカシオ判事で、選挙高裁は被告側の異議申し立てを打ち切って裁判を終わらせており、その判決は無効との見解を示した。アンドレ・メンドンサ判事もそれに続いた。
 だが、エジソン・ファキン、リカルド・レヴァンドウスキー、ジウマール・メンデスの3判事に却下され、3対2でカシオ判事の判断が覆された。
 この結果は、18年大統領選で集計不正を訴える虚報を流して罷免された大統領派のパラナ州州議フェルナンド・フランシスキーニ氏の任期回復が覆った7日と全く同じだ。同日もボルソナロ氏が指名したカシオ、メンドンサ両判事のみが任期回復に賛成していた。

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