《ブラジル》アマゾン失踪事件=失踪したのはよく知られた場所=「インディオならミコでも見つける」=先住民作家がイベントで明言

フィリップス氏とペレイラ氏を捜索するアマゾナス州の陸軍兵達(Divulgacao Comando Militar/AFP)

 【既報関連】アマゾナス州で起きた英国人ジャーナリストのドム・フィリップス氏とブラジル人の先住民活動家のブルーノ・アラウージョ・ペレイラ氏の失踪事件に関し、先住民の作家で環境活動家のアイルトン・クレナッキ氏が9日、「彼らが失踪した場所は、インディオなら森の中にいるミコ(小型のサル)でも見つけられる位、よく知られた場所だ」と発言した。
 9日付フォーリャ紙電子版などによると、この発言は、サンパウロ市で開かれている本の見本市で行われたもので、小型のサルさえ簡単に見つけられるような場所なのに、失踪した二人を見つけられないという事は、彼らは既に殺されているから見つからないのだという事を暗に示したものとして受け止められている。 
 クレナッキ氏はユセフ・カンポス氏と共に『ルガーレス・デ・オリージェン(起源の場所)』という本を書いており、このイベントでも、カンポス氏と共に講演を行うはずだったが、カンポス氏が新型コロナに感染してしまい、単独で講演を行う事になった。
 先の発言はこの講演の中で行われたもので、アマゾンの熱帯雨林で行われている金鉱夫や製材業者、漁師などによる不法な伐採や採掘、採取にも言及しかけたが、ちょうどその時、会場から数メートル先のサッカー博物館に行く青年達が声高に話しながら通り過ぎたため、話が途切れてしまった。
 だが、クレナッキ氏は中断後、再び、不法な行為を繰り返している金鉱夫らへの批判を再開。今回のようなイベントでの聴衆のような人々の注意が、森林地帯で不法伐採や不法採掘取などを行う人々が放つ「レーザー光線(殺人光線)」から、彼のように抗議の声を上げる活動家を守るのに役立つという考えも明らかにした。
 この講演は同氏に質問したいという男性が現れて再び中断した。司会者にマイクを使って質問するよう促された男性は、「法定アマゾンで金を掘り出す事のメリットは何か」と質問。クレナッキ氏が「誰かの入れ歯を手に入れる以外に、金を採掘する理由はない」と答えると、会衆は総立ちになり、拍手をしながら、「ボルソナロ、出て行け」「金鉱夫、出て行け」と叫んだ。
 先住民リーダーは、最近の作品の多くとの日の講演の骨子をなしている考えを、「最後の魚と最後の森がなくなった時、人々は私達はお金は食べられないという事を理解するでしょう」という言葉でまとめた。

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