Brasil Nipppou Gourmet=心地よいミネイロの心遣い=ミナス料理店=オリジェン・ミネイラ

フェイジョアーダ・ゴルダ

 「レストランっていうのは家の様な居心地の良い場所じゃなきゃならないんだ」――サンパウロ市ピニェイロス区のミナス料理店『オリジェン・ミネイラ』創業者のジェラルド・リベイロ・ダ・シルヴァさんの言葉からはミネイロ(ミナス州出身者)の温もりを感じた。
 『オリジェン・ミネイラ』は地下鉄ファリア・リマ駅から徒歩10分の場所(Rua Ferreira de Araujo, 844)にある。店内は木製調度を配した温かみを感じさせる意匠で居心地が良い。
 ジェラルドさんはミナス州セナドール・フィルミーノ市出身で、銀行に36年間勤め、退職。「私は挑戦好きなんだ。変化がないとムズムズしてやってられない」と『オリジェン・ミネイラ』を開店。同店は幼馴染のジョエル・デ・オリヴェイラ・リベイロさんと、その娘のタリタさんの3人で共同創業したという。

店の外観

 『オリジェン・ミネイラ』は、2019年9月に創業。20年3月にはコロナ禍で一時閉店を余儀なくされた。「店舗再開の目途が立つまで、一軒一軒お客さんの家を訪ねながら料理を売っていたよ」と当時の苦労を振り返る。
 同店の席数は130席。誕生日会などに利用したい場合は、1週間前に予約を入れれば、対応してくれる。厨房は広く、清潔感があり、食品の鮮度管理用の冷房も備えていた。
 おすすめ料理はフェイジョアーダ、ジョエーリョ・デ・ポルコ、メシジーニャとエスコンジジーニョ・デ・カルネ・セカの4品。日系人にはフェイジョアーダとジョエーリョ・デ・ポルコが人気とのこと。
 フェイジョアーダはフェイジョアーダ・ゴルダとマグラの2種類ある。ゴルダはカラブレーザと豚の足、尻尾、耳、バラ肉が使われ、マグラはカラブレーザ、干し肉、豚バラ肉と豚ロース肉が使われる。今回は店長お勧めのゴルダを試食した。
 テーブルに「グツグツ」と煮立った小壺が置かれ、その他にお米、ファロッファ、コウベ、トヘスモ、自家製唐辛子ソース、揚げバナナとオレンジの輪切りが並んだ。写真を撮らずにすぐさま食べてしまいたいほどの強く食欲を刺激する濃厚な香りが立っている。
 フェイジョアーダ・ゴルダは豚肉の旨味とコラーゲンがたっぷりで、ごはんがよくすすむ。お米にはニンニクと塩で味付けがされており、味の強いフェイジョアーダに負けず、いいハーモニーを奏でている。
 ファロッファはしっとりした食感。ベーコンの味がよく染み込んでいて、これまたごはんがすすむ。コウベもニンニク炒めにされていて、料理全体での調和意識を感じさせる。自家製唐辛子ソースは唐辛子と黒豆を組み合わせたもので、普通の唐辛子ソースよりフェイジョアーダとの一体感を強く感じさせた。
 濃い味に口の中が疲れてきたら、トヘスモと揚げバナナ、そしてオレンジを。トヘスモは揚げ物であるにも関わらず、油っ気を感じず、カリカリの食感が料理全体にアクセントを付けてくれる。揚げバナナは濃厚な甘みと柔らかな食感ですべてを包み込み、食欲を回復させてくれる。オレンジは柑橘系の爽やかな香りとほのかな甘さで口腔内をリフレッシュしてくれ、たちまちフェイジョアーダが食べたくなる。あっという間に完食してしまった。

店の内装

 同店ではカシャッサもセナドール・フィルミーノ市で独自に作っており、オーク樽で寝かせたカシャッサの口触りはまろやかで、ほんのり甘みを感じた。塩気が強いフェイジョアーダと絶妙な組み合わせだ。純カシャッサも作っており、好みのフルーツでカイピリーニャも提供してくれる。
 ジェラルドさんはレストラン経営において、店と客の信頼関係はもとより、配達員や仕入先業者、従業員の信頼関係も重要だと話す。同店では良質な料理、接客を提供するために、それに見合った値段設定をするようにしている。それがあってこそ皆が心から満足して働けるような環境づくりが出来るという。それでも同店の料理の値段は平均1人前36レアル、2人前72レ、3人前で108レ程度だ。
 ジェラルドさんの笑顔と言葉の一つ一つからは、ミネイロの優しさと寛容さが溢れていた。ぜひ実際に足を運んで、ミネイロの心遣いと居心地のよさを感じてみてほしい。
 『オリジェン・ミネイラ』は昼営業を月~金曜日、午前11時から午後3時半、土曜日と祝日午前11時から午後4時に行っている。夜営業は水~金曜日の午後6時から午後10時まで。予約・問い合わせは同店(電話:11・3031・4055)まで。

店のスタッフらとジェラルドさん(中央手前)

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