総合対応で治療実践=理学療法士の中島さん

父親のエドアルドさんに吸い玉治療を施す中島悠理さん(右)
父親のエドアルドさんに吸い玉治療を施す中島悠理さん(右)

 専門である理学療法をはじめ、マッサージ、カイロ・プラクティックによる整体や吸い玉治療、ドライニードルと呼ばれる鍼治療のほか、霊気によるスピリチュアル治療など総合的な施術をサンパウロ市内を拠点に行っているのが、日系3世の中島悠理さん(25歳)だ。現在は患者の希望に応じて自宅等を訪問して施術を行うのが主だが、将来的には日本で東洋医学をさらに学び、自身のクリニックを開くことを目標に活動している。
 ブラジル日本文化福祉協会(文協)の中島エドアルド事務局長の子息でもある中島さんは、サンパウロ市イピランガ区にあるサンカミーロ大学の理学療法科を今年卒業。すでに5年前から各地のクリニック等で実習の経験を積み、今年から独立して冒頭にあるような様々な形での施術活動を実践している。
 中島さんが最初に個人的な施術を行ったのは、2018年。中学生時代の友人の祖母から膝の治療の依頼を受けた。「膝の痛みを軽減させるとともに、彼女の心理的な助けになるように心がけました」と中島さん。友人の祖母には、患部の治療だけでなく、全体的に体を動かすよう促し、 スポーツ経験の無い他の高齢者に対しても、サッカーやバスケットボールなど無理のない範囲で全身運動をするよう助言している。
 中島さんは2017年に初めて祖父母の故郷である島根県を訪問した。その際、山奥の寺で瞑想を体験する機会を得、その時に「何か感じるものがあった」とし、翌18年から宇宙のエネルギーを取り入れる「霊気」と呼ばれるスピリチュアル治療を学び始めた。現在、霊気によって患者の治療ができる1級の資格を取得しており、最終的なマスターの資格を目指してさらなる努力を続けている。
 中島さんは患者に対して(1)精神的なもの(2)肉体的なもの(3)スピリチュアル的なもの、の3つの観点から総合的に対応できる治療法を常に心掛けており、大切なのは患者との話し合いだと説く。
 「それぞれの患者さんの個性を尊重し、患者さんがどういう状態なのかをよく話し合った上で、理解することが重要です。例えば、単に膝が痛いからと患部を治療するだけでなく、以前に腰などを悪くしていたことが影響している場合や、心理的なストレスが痛みの原因だというケースもあります」と中島さんは、総合的な判断の大切さを強調していた。
 施術依頼、問い合わせは中島さん(WhatsApp:11・98421・8027/メール:mailto:yurinarkashima@gmail.com)まで。

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