ブラジルにも迫るサル痘=空港で水際対策を指示=アルゼンチンではすでに症例

サル痘ウイルス(CYNTHIS S.GOLDSMITH)

 欧州などでサル痘の患者が次々と確認されている事を受け、国家衛生監督庁(Anvisa)が23日、空港では社会的な距離を確保し、マスクを着用する事などを勧める文書を出したと同日付現地サイトが報じた。
 サル痘(ポ語ではヴァリオラ・ドス・マカコス、varíola dos macacos)はコンゴなどのアフリカ諸国では以前からよく見られていた病気で、天然痘に似た症状を呈す。最近は欧州などで患者が見つかり、世界保健機関(WHO)の会議でも取り上げられた。
 サル痘ウイルス(Monkeypox)は大きく分けて2種類あり、コンゴなどで流行っているサル痘のウイルスは致死率が10%に至るが、その他の地域でのサル痘の致死率は1~2%とされている。
 主な症状は発熱と発疹でリンパ腺が腫れたり、筋肉痛や背中の痛みを覚える事もある。一般的には2~4週間で自然に回復する。だが感染力が強く、症状が出ている間は感染を広げる可能性があるという。小児などは重症化して死亡する事がある。
 ブラジル国内ではまだ症例が報告されていないが、欧州を旅行中のブラジル人が1人罹患し、観察下におかれているようだ。
 だがアルゼンチンでは既に症例が報告されており、陸路でのアクセスが可能なブラジルにも感染が広がる可能性があるとの報道も出始めている。 
 Anvisaの文書は空路での感染拡大の可能性を念頭に置いたものだ。社会的な距離を保ち、マクスを着用し、手指は常に消毒する事は、新型コロナ感染症だけでなく、それ以外の感染症の拡大に対しても効果があると強調している。
 保健省も同日、サル痘に関する情報収集や観察活動のための特別室を設けると発表し、国としての対策立案や診断用のガイドラインの作成にも取り組む意向を表明した。
 また、各州の保健局にも感染リスクなどについて喚起すると共に、同病に関する情報を逐次更新していく予定である事を明らかにした。

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