《ブラジル》大人の間でもSARS増加=新型コロナの患者や死者も増加に転じる

オズワルド・クルス財団(Leonardo Oliveira/Fiocruz)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が、重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)が大人の間でも増えていると警告を発したと12日付現地サイトなどが報じた。
 11日付のInfoGripe(風邪様の病気に関する報告書)は、4月末からは大人の間でもSARSが増加と警告。特に、減少傾向にあった新型コロナ感染症によるSARSが増加に転じた事に警鐘を鳴らした。子供も含んだSARS患者の37%は新型コロナ感染者で、死者では81・6%を占める。
 ここ4週間のSARS患者の41・2%は乳幼児や高齢者がかかると肺炎を起こして重症化し得るRSウイルス感染症だった。だがRSウイルスによるSARSが大半なのは0~4歳児で、大人の主要因は新型コロナだ。RSウイルスが原因の死者は8・5%だった。

SARSの患者が増えていると報じる12日付RBAサイトの記事の一部

 SARSの患者増加は長期(6週間単位)と短期(3週間単位)の双方で認められている。長期増が認められている州はアクレ、アラゴアス、アマゾナス、アマパー、セアラ、マラニョン、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、パラー、パラナ、リオ、リオ・グランデ・ド・ノルテ、ロンドニア、ロライマ、リオ・グランデ・ド・スル、サンタカタリーナにトカンチンスだ。ミナス州は短期増が認められている。
 A、B型のインフルエンザも感染者が出ているが、SARSに占める割合は2・9%と0・5%だった。
 なお、感染学上第19週(8~14日)の新型コロナの新規感染者は12万3564人(7日間平均は1万7652人)で、前々週比で20・5%、前週比で12・0%増加。死者746人(7日間平均107人)は前々週比では15・9%減だが、前週比では18・8%増えた。
 1~8日の新型コロナの感染検査での陽性率は19・86%と、8週連続で上昇中だ。保健省は新型コロナ感染を確認した現場の医師は州や市の保健局などに報告するよう、改めて指導している。 

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