特集=日系社会貢献の34人を表彰=第65回パウリスタ賞授賞式

 ブラジル日報協会(林隆春会長)主催「第65回パウリスタ賞授賞式」が7日、ブラジル日本文化協会(文協)ビル大講堂で開かれた。伯国日系社会の各分野の発展に貢献した34人(当日1人欠席)が表彰され、来場した関係者約400人と喜びを分かち合った。

 授賞式は午前10時に開会し、日伯両国歌斉唱の後、1日に亡くなったリベルダーデ文化福祉協会(ACAL)会長の池崎文博さん、3月6日に亡くなった聖南西文化体育連盟(UCES)会長の山村敏明さんへ黙とうが捧げられた。
 会場には来賓として、小室千帆在聖総領事館首席領事、江口雅之独立行政法人国際協力機構(JICA)ブラジル事務所所長、原宏日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所所長、洲崎勝国際交流基金サンパウロ日本文化センター所長、西尾ロベルト宮坂国人財団理事長、洲崎順サンパウロ日伯援護協会(援協)副会長、市川利雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長、石川レナト文協会長、飯星ワルテル元連邦下院議員、羽藤ジョルジ聖市議会議員、野村アウレリオ聖市議会議員、平田藤義ブラジル日本商工会議所事務局長、矢野敬崇ブラジル日本語センター理事長、旧ニッケイ新聞社社長の高木ラウル氏が参列した。
 西森ルイス連邦下院議員がビデオメッセージで祝辞を述べ、日本からオンラインでブラジル日報協会の林隆春会長が参加した。
 来賓あいさつの後、受賞者にステンレス製表彰盾の贈呈が行われた。社会功労賞受賞者のアフォンソ・アキオシ・シオザキさんは都合により欠席した。

「みんなを代表して頂いた」=受賞者ら喜びの声

 援協の推薦によって、日系栄誉賞を受賞した元援協会長の菊地義治さんは「援協は移住者の先輩を含めたみんなが作った協会。みんなを代表して頂いたと思っています」と喜びを表した。
 「日系栄誉賞」は日本の「国民栄誉賞」に倣って設置された最高賞。広く日系社会から敬愛され、日系社会の発展に多大な業績を残した人物に贈られる。
 菊地さんは2012年に、厚生労働大臣賞と読売新聞社主宰の海外慰労功労賞を受賞した。その際、平成天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)に夕食会に招待され、美智子さまから「ご苦労されたのですね」とねぎらいの言葉をかけられたという。菊地さんは「日本の皇室も日系社会に心を留めておられた。今年は日本移民114周年。これからは新しい世代が移民の遺志を継いで活動してもらいたい」と述べた。
 ブラジル相撲連盟の推薦で社会功労賞を受賞した坂下義弘さんは、「イタペチニンガ市の皆さんが市を挙げて喜んでくださっています。授賞式には沢山の親戚と相撲関係者が駆け付けてくれ、嬉しい限りです」と喜びを表した。
 坂下さんはドミニカ移住で南米に渡り、その後、ブラジルに再移住した。1970年、イタペチニンガ市で柔道と相撲を教えていた小斉平ゴロウさんの道場に入門。75年に小斉平さんの引退を機に、道場を継いだ。47年間の指導活動の結果、現在では市役所に柔道場を開き、弟子は約400人いるという。
 文化賞を受賞した画家の小田エルザさんは、孫を抱きしめながら「これまでも金賞や大金賞などを頂いてきたけど、それは私の作品が表彰されたもの。文化賞は、私の活動に対する表彰だから別格にうれしい」と喜びを述べた。
 ブラジル日系ゴルフ連盟の推薦でスポーツ賞を受賞した溝口功さんは、「本当にもらっていいのかな。今後もゴルフを通して日系人同士の交流が盛んになれば」と喜んだ。

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