「ビザの件は国で話したい」=小田原副大臣がブラジル訪問=首都で円借款、サンパウロ市で史料館へ

記者団と懇談する小田原副大臣
記者団と懇談する小田原副大臣

 在ブラジル日本国大使館の広報によれば、ブラジリアを訪問中の小田原潔外務副大臣は2日、伯日議連のキム・カタギリ議員、ヴィトール・リッピ議員と会談を行い、日伯関係一層発展のため、両国の議員交流を更に強化させていくことで意見を一致させた。
 同日、フラヴィオ・ロッシャ大統領府戦略問題担当長官と会談し、ウクライナ情勢、東アジアの安全保障環境、経済安全保障等について意見交換を行い、両国の戦略的連携を一層推進していくことを確認した。
 さらに、フェルナンド・マガリャイス外相代理とも会談を行い、安全保障分野を含む幅広い分野での二国間協力の推進に加え、ウクライナ情勢、国連改革等の国際場裏での戦略的協力の推進を確認した。また、供与限度額300億円に及ぶ「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款」について、国家間の合意成立を示す両国の交換公文署名に向けて調整を進めていくことを確認した。
 「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援借款」では、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)に対する融資(開発金融借款)を通じて、医療機関や医療品製造企業等の保健医療セクター及び中小零細企業(MSME)に支援を行う。同国内における保健医療セクターのサービス、活動の継続及びMSMEの雇用確保、活動の継続・拡大を図る。
 3日、小田原副大臣は、アゴスチーニョ・シバタ元空軍歩兵少将の同席の下、ブラジリア空港の伯空軍施設を視察。小田原副大臣は、伯軍における高位の日系軍人の活躍を賞賛するとともに、日伯間の防衛交流の更なる進展に期待を表明した。
 その後、サンパウロ市に移動し、午後3時、イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑に参拝後、日本館を視察。特派員ら記者団と懇談した。
 日系4世へのビザ発給数の少なさと3世のビザ発行条件が厳しくなり、若い日系人が日本で就労するのが困難な状況について、小田原副大臣は「カタギリ議員と日系アイデンティティについて話をしました。日本へ技能実習で渡る人達とは違って、日系人は自分のルーツを探しに行っている部分があることを実感しました。ビザの件についてはこれから国の方で話しあいたいと思います」と答えた。
 その後、日本移民史料館を視察し、メキシコに向かって出発した。

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