110ヘクタールの葡萄畑=ジュアゼイロの日系農家を訪ねて(4)=雨が大敵、コロナ影響は軽微

葡萄を確認する畑管理者のルイス・カルタッショさん
葡萄を確認する畑管理者のルイス・カルタッショさん

 選別場を後にし、畑管理者のルイス・カルタッショさん(Luiz・Cartaxo)案内のもと、110ヘクタールの葡萄畑に足を運んだ。
 この畑では、6種類の葡萄(Autumn crisp、Sugar crisp、BRS Vitória、Cotton candy、Scarlotta、Candy dreams)が栽培されている。収穫までにかかる日数は約4カ月。販売基準の糖度を確認する為、収穫間際の105日目に葡萄ひとつひとつに専用機器で測定する。成長管理の為に枝数や葉数も把握しているという。
 灌漑(農地に外部から人工的に水を供給すること)時間は、ブドウの成長具合や季節によって変える。ジュアゼイロは日中気温が30度を超えるため、灌漑は水が蒸発しない夜に行う。
 ルイスさんは「雨が降った時は特に細心の注意を払いますね。雨の量によっては灌漑を行わないこともあります。4mmの雨が降った場合は一日灌漑を行わないようにし、10mmの雨が降ったときは二日間行わないなどの調整をします。また、雨水には雑菌が含まれているので、それが果実内で繁殖してしまうと、品質が悪くなってしまいます。それを防ぐ為の殺菌剤散布を調整したりしなければなりません。我々の間では『雨が一番の大敵』と話していますよ」と語る。

コロナ禍の影響は?

 ブドウ栽培におけるコロナ禍の影響について聞くと、三男・販売部長のアキオさんは「輸出はドル高レアル安の進行で、コロナ禍前よりも高値で売ることができ、売り上げはよくなりました」と語る。一方で次男・財務部長のマサカツさんは「輸入していた肥料や農薬剤などの値段も上がりしました。生産コストの増大に注意が必要です」と語った。(淀貴彦記者、続く)

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