《ブラジル》痴漢被害の女性州議に「被害にあってよかった」=オリム・サンパウロ州議に保守派までが罷免求める

デレガード・オリン・サンパウロ州議(州議会公式サイトより)

 議会内で痴漢行為にあった女性州議を「被害にあってよかった」とからかった倫理委員会所属のサンパウロ州議が、左派と保守の両方の陣営から処分を求められている。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
 事の発端はデレガード・オリム・サンパウロ州議(進歩党・PP)が21日に受けたテレビのインタビューで、2020年12月に議会内で胸近くのわきの下を触られるなどの痴漢行為を受け、加害者のフェルナンド・クリー州議を罷免に追い込んだイザ・ペナ州議(社会主義自由党・PSOL)に関して、「被害を受けて良かった。あれで5分以上注目を浴びたのだから」「きっと州議選でも再選するよ」「彼女はいつも同じことしか言っていないが」などとからかったことだ。
 これを受け、イザ州議はオリム州議を倫理委員から除名することを求めている。イザ州議はオリム州議の発言は男性至上主義と闘っている全ての女性に対する侮蔑とも語った。
 だが、オリム州議に対しては保守派からも罷免を求める声が上がるという意外な展開が起きている。
 訴えを起こしたのは、政治団体「ブラジル自由運動(MBL)」のメンバーで、10月のサンパウロ州議選に出馬予定のレナト・バティスタ氏だ。それは、「ウクライナの女性は尻軽」との発言を行ったアルトゥール・ド・ヴァル州議に対して、倫理委員会で罷免を勧めた際の報告官を務めたのがオリム氏だったためだ。バティスタ氏は、罷免される前に辞任したヴァル氏の元側近でもあった。

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