コチア旧友会、40年の歴史に幕=「解散は寂しい限り」=コロナ禍、会員高齢化で

2018年まで毎年行われていたコチア産業組合関連合同ミサ(2018年9月撮影)
2018年まで毎年行われていたコチア産業組合関連合同ミサ(2018年9月撮影)

 旧コチア産業組合の組合員や職員等が親睦を深めることを目的に1981年に設立した「コチア旧友会」(以下、旧友会)が、昨年7月末の役員会決議で解散し、40年の歴史に幕を下ろしていたことがこのほど明らかになった。解散はコロナ禍による活動休止と高齢化(平均年齢82歳)が主な原因で、最後の会長を務めた長田勝(ながたまさる)さん(82歳、山口県出身)は、「解散は寂しい限りだが、やむを得なかった」と話している。
 解散に至るまで約5年にわたって旧友会の最後の会長を務めた長田さんによると、同会は創立当時、コチア産業組合の組合員や職員のほか、当時の役員も親睦会に参加。長田さん自身もマット・グロッソ州からサンパウロ市での職員勤務に戻った1982年に、元産業組合青年連盟マリリア支部長で旧友会会長・顧問を歴任した志村啓夫(ひろお)さん(故人)から誘われて入会したという。
 創立当時、約80人の会員が一堂に会し、新年会、忘年会、敬老会のほか、年に3回ほどの親睦旅行等を実施。サンパウロ市近郊をはじめ、ミナス・ジェライス、ゴイアス、サンタカタリーナ各州などブラジル各地を訪れた。
 毎年9月にはコチア産業組合創立者の故下元健吉氏の命日に合わせて、下元家の親族、コチア青年連絡協議会、旧友会合同の慰霊祭を開き、先人を偲ぶとともに旧交を温めていた。
 しかし、そうした活動も2020年3月のパンデミック以降は休止となり、同年は新年祝賀会のみの行事しか行えず、その後の活動は停止していた。
 旧友会では、21年7月19日に臨時役員会を開き、会としての存続意義について議論を重ねた。その結果、役員会全員一致で同7月31日を以って解散することを決議。会の残高3600レアルを旧コチア産業組合ゆかりのSBC病院に寄付することも決められた。旧友会に所属する約60人の会員には、同年9月10日に郵送等で解散の通知が行われている。
長田さんは「私たち旧コチア組合職員にとっては、コチアの名前を冠した旧友会が誇りであり、愛着もあるため、これまで蓄積されてきた会員同士の絆を断つことには悔いもあります。毎年9月の合同ミサでお会いしていた下元慶郎さん(けいろう、下元健吉氏の次男)から『自分が死ぬまではミサを続けてほしい』と言われていたこともあり、その約束を果たせないことは残念ですが、コチア青年の方々に慰霊祭は続けてほしい」と話している。

 

 

最新記事