《ブラジル》ヴァル・サンパウロ州議が電撃辞任=罷免不可避の状況を前に

 ウクライナ人女性を侮辱する発言で国際的に物議を醸したアルトゥール・ド・ヴァル・サンパウロ州議会議員が20日に突然辞任した。20日付現地サイトが報じている。
 ヴァル氏はウクライナ危機勃発直後の2月にウクライナ国境まで行き、ウクライナ支援のための火炎瓶作りなどにも携わった。その際、「ウクライナ女性は尻軽だ。それは貧しいから」と語った音声メッセージが漏れ、国際的に問題となった。
 12日に行われたサンパウロ州議会の倫理委員会では満場一致で同氏を全体会議で罷免投票にかけることを推薦。党派を超えた賛成で、罷免は避けられないとの見方が強まっていた。
 20日、ヴァル氏は辞任声明で「サンパウロ州議会のやり方はあまりにも不公正だ。私を選挙に出させないのが真の目的だ。私は犠牲者だ」と強い不満を示した。
 ヴァル氏はジウマ元大統領の罷免運動で有名になった政治団体「ブラジル自由運動(MBL)」のメンバーで、ユーチューバー「ママイ・ファレイ」として一躍有名になった。2018年のサンパウ州議選では全体2位で当選。その人気を背景に10月のサンパウロ州知事選への出馬を目指していたが、今回のスキャンダルで所属政党のポデモスを追放され、知事選を断念していた。

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