西国医師にJICA拠点長表彰=17年間、現地医療情報を支援

江口所長から表彰された西国医師(右、提供写真)
江口所長から表彰された西国医師(右、提供写真)

 JICAブラジル事務所(江口雅之所長)は3月29日、同事務所でサンタクルス日本病院第1副理事長の西国幸四郎医師に「JICA拠点長表彰」を授与した。
 西国医師は2005年から現在まで同事務所の顧問医として数多くのJICA関係者に助言や支援を行っており、その顕著な功績に対して江口所長が表彰した。
 表彰式には同病院評議会議長及びブラジル日本文化福祉協会(文協)会長の石川レナト氏、同病院理事長の佐藤マリオ氏、西国医師と子息の西国亜門さんも同席した。
 江口所長は「1970年から2020年までの過去50年間で海外での国際協力の活動中に亡くなったJICA関係者は約250人に上り、その死亡原因の半数が病気によるもの。JICA職員が海外で任務を全うする上で、健康管理は大きな関心・課題であり、日本語で相談でき丁寧かつ迅速に対応して頂いている西国医師の存在はとても大きい。これまでの支援に感謝の意を表し、その功績を顕彰するとともに、これからJICAボランティアも数多く戻ってくるため、引き続きのご支援を賜りたい」と述べた。
 西国医師は、「日本からブラジルに移民として来た両親を通じて、ブラジルのことが十分に分からない人達への支援は大切だと感じていた。今回このような表彰をいただき、今までやってきた甲斐があり、両親に対しても少しは親孝行ができたのではないかとの気持ちがある。また、石川評議会議長や佐藤理事長をはじめ、サンタクルス日本病院の医師や看護師など様々なスタッフの支援があってこそ現地顧問医としての対応ができていることから、関係者の皆さんに感謝したい」と謝辞を述べた。
 西国医師は、専門である脳神経外科領域のみならず、小児科、産科、内科、整形外科等でも高い臨床識見を有し、2021年から同病院の第1副理事長、同病院傘下の同病院学術研究所(IPESC)理事長を務め、本邦大学との学術研究交流にも積極的に取り組んでいる。

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