宝飾品展『[ím]pares』=ジャパン・ハウスで開催中

展示会の様子(ジャパンハウス提供)
展示会の様子(ジャパンハウス提供)

 サンパウロ市ベラビスタ区の日本文化広報施設『ジャパン・ハウス・サンパウロ(JHSP)』は、公益社団法人『日本ジュエリーデザイナー協会』の後援で、宝飾品展示会『[ím]pares(インパレス)』を5日から6月12日まで、同施設(住所:Avenida Paulista, 52)にて開催している。入場無料、ワクチン接種証明書の提示義務あり。
 展示会では、金属、布、硝子、竹、籐、真珠、貝殻、紙、卵の殻などを用いて魅力的な宝飾品を生み出す日本人女性デザイナーら、浅井美樹(あさいみき)氏、岡本菜穂(おかもとなほ)氏、楠本真理子(くすもとまりこ)氏、周防絵美子(すおえみこ)氏、藤本奈穂子(ふじもとなほこ)氏の作品75点を展示。独創的な作品から日本の美意識をたどる。
 ナターシャ・バルザギ・ジーネンJHSP企画局長は「日本のジュエリー企画展示を開催するのは2018年からの夢でした。本展は数年にわたり熟考したアイデア、リサーチによる発見が凝縮された内容となっています。フォーカスを当てたのは伝統的な素材や要素を取り入れ、他に類をみない現代的な作品を生み出している5人の女性ジュエリーデザイナーです。それぞれが個性溢れる独創的な作品を創作しています」と語り、来場を呼び掛けた。
 入館時間は次の通り。▼火曜日から金曜日:午前10時から午後6時まで。▼土曜日:午前9時から午後7時まで。▼日曜日、祝日:午前9時から午後6時まで。

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 展示会のタイトル『[ím]pares』は、ポルトガル語で「奇数」を意味する「ímpar」と「対」を意味する「pares」を組み合わせて付けられた。その心は、「5人」(奇数)の女性ジュエリーデザイナーのユニークな個性が、有名男性デザイナーが多く存在するジュエリー業界で、彼女らが彼らの「対」をなす存在となっていることを意味している。
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 『[ím]pares』に出展する楠本真理子氏は布を用いて花や珊瑚をモチーフとした作品を生み出し、仏人デザイナー、ジャンポール・ゴルチエ氏にその才能を評価された。岡本菜穂氏は、宝飾会社『SIRI SIRI』の創立者で、その作品には日本の伝統工芸の職人技術が活かされている。浅井美樹氏は不完全さから美を見出す「侘び寂び」を表現した作品が特徴。周防絵美子氏は、金属製の極細線や金属メッシュなど脆さを持つ素材を用いてジュエリーを製作する。藤本奈穂子氏は可動式の金属製宝飾作品や、自然からインスピレーションを得て創作した作品を出展する。
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 JHSPは、2017年4月の開館から今年で5年目を迎えた。これまで、建築、技術、食、ファッション、芸術など様々な日本の魅力をテーマに企画展示を行い、日本に関心のなかった人々をひきつけ、親日派・知日派の裾野を拡大させてきた。近年は国内のみならず、中南米への除法発信にも注力しており、日本と中南米諸国を結ぶ架け橋としての役割も期待されている。JHSPが行うイベントプログラムについては同施設サイト(https://www.japanhousesp.com.br)から確認できる。

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