《ペルー》抗議行動激化で外出禁止令=サッカーリベルタドーレス杯の試合にも影響

ホセ・ペドロ・カスティージョ・テロネス大統領(ペルー大統領, via Wikimedia Commons)

 ペルー国内ではロシアによるウクライナ侵攻で生じた燃料や肥料の値上がりとそれに伴うインフレ高進を不満とする抗議行動が続発しており、ペドロ・カスティージョ大統領が5日、同国首都のリマ市内に外出禁止令を出したと同日付ブラジル国内サイト(G1サイト、CNNブラジルなど)が報じた。
燃料や肥料の国際価格上昇とロシアやウクライナからの小麦などの輸出停止が国内でのガソリンや小麦などの値上がりを招き、庶民の懐を直撃した事で生じた抗議行動は、日毎に激しさを増して、4日にはリマ市内で大規模デモに発展。高速道の料金所が襲われるといった破壊行為も繰り返されている。
 同国政府はインフレ抑制に努めているが、治安悪化は目に余ると判断したカスティージョ大統領は4日夜、非常事態を宣言し、リマ市内では5日の2時から23時59分までを外出禁止とすると発表した。

 

 

 5日はリマで、サッカーのリベルタドーレス杯の開幕戦(同国のスポルティング・クリスタル対ブラジルのフラメンゴ戦)開催の予定だったが、同国政府は延期するよう進言。南米サッカー連盟は入場者を入れず、門を閉めて開催する事を提案した。
 一部の報道では外出禁止は無期限との説もあるが、南米サッカー連盟では、少なくとも今週中に試合を行いたいとの意向も表明している。

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