《ブラジル》中銀職員が無期限ストに=停止項目の一つはPIX=給与調整外なら要求強化

中央銀行(Marcelo Casal/Agencia Brasil)

 【既報関連】全国中央銀行職員組合(Sinal)が3月30日、1日からの無期限ストは従来よりも強硬なものとなるとし、PIXや紙幣と硬貨の配布、公開市場でのオペレーション、経済動向予想調査(フォーカス)の結果公開などを停止する可能性を示唆したと3月30、31日付現地紙、サイトが報じた。
 Sinal側は現役職員や退職者、恩給受給者への支払額を26・3%調整する事を要請している。連邦政府が出す公務員の給与調整に関する暫定令(MP)の対象に中銀職員が含まれなかった時はストの内容を強化するとしている。同行のアナリストの給与は年34万1100レアル(月2万6200レアル)だ。
 中銀側は、生活必需業務は継続する意向。だが中銀のサイトの一部は3月30日から機能を停止。NubankでPIXの使用環境が不安定になったといった情報が相次いで報告されている。
 Sinalが停止する可能性のある項目の第一に挙げたPIXは人口の7割が使っている。だがサービス開始以来、メインテナンスが行われておらず、監視活動も脆弱であるため全面的に止まる可能性があるようだ。

 PIXは時間や場所を選ばずに即刻送金、即刻受領が可能として大々的に売り出され、利用者が急増した。また、銀行以外の施設でも現金を引き出せるPIX Saqueや、商品購入額以上の額の払い出しを指定して差額を現金で受け取れるPIX Trocoのようなサービスも増えたが、送金などに必要なChaveと呼ばれる情報漏えいなどの問題も頻発している。
 Sinalのファビオ・ファイアド会長によると、カンポス・ネット中銀総裁は3月29日、大統領官邸で前日開かれた会合で中銀職員の給与も含めた問題が話し合われたが、具体的な提案は来週の閣僚会議を待つ必要があると語っている。
 ファイアド氏は、現時点ではカンポス・ネット総裁との次の会合の予定は未定だが、同総裁には大統領と再会し、具体的な提案を引き出すよう要求したと語っている。
 連邦政府は公務員全員に7月以降、5%調整という方向で検討中だが、諸部門の要求する調整率は20%を超えており、中銀も含めた各組合との交渉の行方やスト解除の時期は不透明だ。

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