JICA=ブラジルの交番制度導入を描く=映画「KOBAN」上映会

カミロ大佐にプレートを贈る江口所長
カミロ大佐にプレートを贈る江口所長

 JICAブラジル事務所(江口雅之所長)は16日、サンパウロ市イビラプエラ公園内施設「日本館」で、ブラジル内における交番制度導入について描いたポルトガル語ドキュメンタリー映画「KOBAN- uma filosofia de prevenção(予防の哲学)」の上映会を行った。
 サンパウロ州は警察による一般市民への暴力事件を問題視し、1997年に「市民と共にある市民のための警察」を目指して、日本の交番制度を参考にした地域警察活動の導入を開始。2005年にはJICAの協力を受け、州内の交番制度定着を目指す「地域警察活動プロジェクト」を始動させ、効果をあげた。
 映画はブラジル向けに制作され、25分程で交番制度が導入されるまでが描かれる。
 上映会には、サンパウロ州公安や軍警関係者、インフルエンサー等の約40人が参加。挨拶に立った江口所長は「日伯文化の融合の象徴とも言える日本館で上映会が実施でき大変光栄です」と述べた。上映に先立って交番制度導入に貢献したアルバロ・バティスタ・カミロ大佐へJICAから感謝プレートが贈られた。
 カミロ大佐は09年2月に約15日間、日本で交番や駐在所のシステムを学んだ。「『予防の哲学』は今やサンパウロ州警察の哲学でもあります。映画を通じて交番の制度や哲学がブラジル全土や南米、必要な国々へ伝わることを期待します」と述べた。
 同映画は17日からJICAのユーチューブチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCKrGdZcrs9oeM5AV8wLhgqQ)で公開されており、式典の模様も視聴が可能。
 今後はスペイン語版や日本語版の公開も予定しており、ブラジルでの交番制度導入の取り組みを南米へ発信していく見込みだ。

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