《ブラジル》大統領が生理用品の無料配布承認=昨年の拒否権行使から一転

国際女性デーのイベントで生理用品無料配布の大統領令に署名と報じる8日付G1サイトの記事の一部

 国際女性デーの8日、ボルソナロ大統領がこの日を記念したイベントの席上で、生理用品の無料配布を認める大統領令に署名したと同日付G1サイトなどが報じた。
 大統領は昨年、財源確保や財政責任法上の問題などを理由に、脆弱な立場にいる女性への生理用品の無料配布を認める法案に拒否権を行使したが、今年は一転して無料配布を認める大統領令を出した。大統領令への署名は大統領官邸で行われた国際女性デーのイベントの中で行われた。
 連邦政府は、今回の大統領令が定めた月経プログラムは、女性の月経期間中に必要な衛生用品やその他のアイテムの無料提供だけでなく、基本的なヘルスケアを保証し、月経時の健康を守るための活動やプログラムに女性を取り込むための手段を開発するためのものだと説明している。

 ケイロガ保健相は、無料配布のための経費(見積額1億3千万レアル)は保健省の予算から支払うと語った。保健省プライマリー・ヘルスケア局のラファエル・カマラ局長によると、大統領令の対象となる女性は360万人に上る見込みだという。
 大統領令による生理用品の無料配布の対象者は、路上生活をしている女性、12~21歳で社会教育プログラムの対象となっている女性、9~24歳で学校保健計画の対象となっている学校に在籍している女子生徒。
 一方、大統領が昨年拒否権を行使した法案の対象者は、公立校に在籍している低所得家庭の女子生徒、路上生活または社会的に極度に脆弱な状況にある女性、刑務所やそれに準ずる施設に入っている女性、社会教育施設(更生施設)の女子収容者となっていた。

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