《ブラジル》お騒がせ州議員が戦火のウクライナに=「現状視察」主張も批判殺到

メンバーがウクライナ国境へ旅立った後、MBLが18万レアルを集めたと報じる1日付エスタード紙の記事の一部(左がヴァル州議)

 サンパウロ州知事選への出馬が噂されるアルトゥール・ド・ヴァル・サンパウロ州議(ポデモス)が戦火のウクライナへの入国を試み、物議を醸している。
 ユーチューバー「ママイ・ファレイ(ママ、言ったよ)」としても知られるヴァル氏は2月28日、自身が所属する市民政治団体「ブラジル自由運動(MBL)」のリーダー、レナト・サントス氏と共に、ウクライナ到着を目指して欧州に滞在中であることをネット上で伝えた。
 ヴァル氏によると、2人はドイツを経由してオーストリアに入国後、車でスロバキアを経由してウクライナ国境に向かった。そこでウクライナの現状を視察するのだという。

 ヴァル氏によると、渡航は全て自腹で、公金は一切使っていないという。また、MBLはウクライナへの募金として、18万レアルを集めたとも発表している。
 だが、戦火で既に80万人以上のウクライナ国民が国外に退避した上、さらに多くが国境で列をなしている最中でのウクライナ渡航には批判の声が集まっている。中には、「ウクライナの件を政治的に利用しようとしている」「サンパウロ州でやるべきことがあるはず」と批判する声も出ている。ヴァル氏は10月のサンパウロ州知事選への出馬が有力視されている。
 ヴァル氏は以前から物議を醸すことで知られており、2019年には州議会での暴言を理由に民主党(DEM)から追放された経験を持つ。

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