《タイ》麻薬密輸で20代ブラジル人3人逮捕=容疑者家族が死刑回避嘆願

マリ容疑者(右)とマリアナさん(Twitter)

 14日、タイのバンコクで、20代のブラジル人3人が麻薬密輸で逮捕された。同国では麻薬密輸は厳罰に処される上、その罪は国際的に見て極めて重く、死刑の可能性もあることから、容疑者の1人である女性の一家が外務省に掛け合って減刑を求めている。21日付現地サイトなどが報じている。
 14日、タイのバンコクで、パラナ州クリチーバからの飛行機で入国したマリ・エレン・コエーリョ・シウヴァ容疑者(21)と27歳の男性の2人が逮捕された。
 また、1時間ほど後に、同じくクリチーバから到着した21歳の男性が逮捕された。3人が所持していたコカインは計15・5キロだった。
 同件は、マリ容疑者の家族が外務省に連絡を取ったことで広く知られることになり、一家を取材した内容がグローボ局で報じられたことで全国的な話題となっている。
 この報道では、マリ容疑者が姉妹のマリアナさんに直接送った、タイにおいて麻薬密輸で逮捕されたことを知らせる音声メッセージを公開した。同容疑者はマリアナさんに、ブラジルの弁護士に頼んでこの事件に対応するよう頼んだという。

 マリアナさんはこれを受け、アジア諸国では麻薬犯罪は重罪で、場合によっては死刑になることを初めて知ったという。マリアナさんは、子宮癌で闘病中の母親とともに減刑を嘆願している。
 マリ容疑者はミナス・ジェライス州南部のポウゾ・アレグレで家族と生活しており、タイに出向く1週間間ほど前、それまで勤めていたシュラスコ店をやめていたという。
 マリアナさんをはじめとする家族は、マリ容疑者の麻薬犯罪のことは知らなかったが、「クリチーバに行く」とだけ聞いており、「恋人に会いに行くのかと思っていた」と語っている。
 一方、マリ容疑者の友人のアンジェリケ・サンシェスさんは、同容疑者が麻薬犯罪に関与し、国内を行き来していたのは知っていたが、国外に出たのは初耳だと語っている。
 マリアナさんとアンジェリケさんは共に、マリ容疑者は聡明で賢い女性で、最近は自動車学校に通って運転を習っていた位で、「死刑になる可能性のある国に行くはずはない」と語り、「男性に騙されたのでは」との見解を示している。

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