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連載小説=おてもやんからブエノスアイレスのマリア様=相川知子=第14回

2022年2月19日

かねさんの梅干しはいつも絶品であった。もちろん在アルゼンチン日系社会で伝統的に家庭でつけた梅はどれも保存料など入っていない自然の味。大きな瓶でいただいて多すぎて困ったこともあった。もうこんな自然な梅干を味わうことは難しい。
かねさんの梅干しはいつも絶品であった。もちろん在アルゼンチン日系社会で伝統的に家庭でつけた梅はどれも保存料など入っていない自然の味。大きな瓶でいただいて多すぎて困ったこともあった。もうこんな自然な梅干を味わうことは難しい。

14.青梅

 戦争があろうがなかろうが、庭の梅はアルゼンチンの日差しの下、すくすくと育った。子供たちが小学生になって落ち着いてきたころ、実がなるようになった。梅の実が熟し、青みがかった緑にな...

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