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《ブラジル》TCU=陸軍が不正入札26回実施=クロロキン成分納入元に疑惑= ボルソナロ政権で急増と指摘

2022年2月19日

クロロキン(Twitter)
クロロキン(Twitter)

 クロロキン生産に必要な成分を供給する企業に対し、陸軍が26回もの不正入札を行っていた形跡があると、国立会計検査院(TCU)が指摘している。クロロキンはボルソナロ大統領が コロナワクチンの治療薬として推奨していた薬品として知られている。18日付現地紙が報じている。
 これはフォーリャ紙が18日付で報じたことで明らかになった。それによると、TCUが今年の2月3日現在の時点で調べたところ、2018年から2021年までの間に、陸軍がクロロキン成分の供給に関する不正契約を26回にわたって行っていた疑いがあるという。そして、そのうちの24回はボルソナロ政権となった2019年以降に行われたものだという。
 TCUがこの調査に踏み切っていたのは、パンデミックの期間中に陸軍の化学薬品研究所でのクロロキン製造量が飛躍的に増加したことを怪しんだためだという。ボルソナロ大統領は、効用が証明されていないのに、抗マラリア剤のクロロキンとヒドロキシクロロキンをコロナワクチン治療薬として使用することに固執したため、ワクチンの接種開始が遅くなった経緯がある。
 TCUは、「スルミナス・サプリメント&ヌトリソン」という、ミナス・ジェライス州の零細企業が繰り返して入札に参加していることを疑問視している。この企業は陸軍に対して実験用塩の供給を行っているが、今回は入札規定から外れているのに同社が参加し続けていた 。

 スルミナスで問題となっている点は二つある。一つは同社の共同経営者のマルセロ・マッサロ氏が、同社に10%の株を持っているにもかかわらず、「スル・デ・ミナス・イングレディエンテス」という、似た名前の別の企業でも入札に頻繁に加わっていたことだ。
 2006年に制定された入札の規定では、ある企業で10%の株を持つ人物が、他の企業の名義で入札に同時に参加するのは禁じられている。
 またスルミナス社は、零細企業専用の入札において、参加資格の資産額の規定を破って参加し続けているという。2018年以降、資産額の限度は480万レアルまでとされているが、同社は2020年に1230億レアルの申告を行っている。
 さらにスルミナスは、26回あったとされている不正入札のうち、15回で落札企業となった。これら15回の入札には陸軍の化学薬品研究所のみならず、海軍やオズワルド・クルズ財団(Fiocruz)も関与していたという。また、別の入札では海軍も関与していたという。
 スル・デ・ミナス・イングレディエンテスは2014年以降、970万レアルを連邦政府から支払われているが、そのうちの620万レアルがボウソナロ政権以降に支払われている。
 TCUによると、陸軍化学薬品研究所では、2017年には70キロの実験用塩から26万5千回分のクロロキンを製造していたところ、ボルソナロ氏が推奨を行った2020年には900キロの実験用塩から320万回分のクロロキンの製造を行っていたという。


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