サンパウロ州=週末の豪雨で被害続出=土砂崩れや洪水で21人死亡

豪雨での被害の様子(Corpo De Bombeiros Da PMESP)

 1月28日から30日にかけて、サンパウロ州内が豪雨に見舞われ、川の氾濫やがけ崩れなどの被害が相次ぎ、21人が死亡する事態が起きた。1月30、31日付現地紙、サイトが報じている。
 死者が出たのはヴァルゼア・パウリスタ、フランシスコ・モラット、フランコ・デ・ロシャ、エンブー・ダス・アルテス、ジャウー、アルジャー、リベイロン・プレット、イタペヴィだ。
 ヴァルゼア・パウリスタでは夫婦と3人の子供の5人家族が30日午前中に起きた土砂崩れで生き埋めとなって亡くなった。被害が発生したのは午前6時頃で一家は睡眠中。子供たちは12歳の男の子と10歳と1歳の女の子だった。
 フランシスコ・モラットとフランコ・ダ・ロッシャでは川の氾濫が起き、消防隊がボートを使って救助作業を行った。前者では子供3人と成人1人の4人が死亡。後者では5人が死亡した上、6人が負傷。1月30日の時点で4人がまだ行方不明となっていた。フランシスコ・モラットではがけ崩れも起き、家屋3軒が倒壊した。
 エンブーでも土砂崩れが起き、44歳の母親と21歳の息子、4歳の娘の一家がなくなる惨事が起きている。

 また、ジャウー、アルジャー、リベイロン・プレットでは洪水が発生。ジャウーでは61歳の男性が溺死、アルジャーでは59歳男性が乗っていた車が水没、リベイロン・プレットでも57歳男性が溺れて死亡した。
 また、イタペヴィでは家屋倒壊で母子が生き埋めになり、生後4カ月の赤ちゃんが死亡した。母親は救助後、病院に運ばれた。
 そのほかにも、大サンパウロ市圏カイエイラスでは洪水で通りが完全に冠水し、通行不能となったため、トラクターやトラックで救助作業を行った。また、バウルーでは高速道にアクセスする道路が両方向で陥没。他市との行き来にも支障が出ている。
 サンパウロ市では、1月30日に行われる予定だったコロナワクチンの接種を中止している。
 サンパウロ州政府は1月30日、今回の豪雨で州内11市で合計500人が家を失ったと報告。ジョアン・ドリア州知事は1500万レアルを被災地の支援に当てることも発表した。

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