《ブラジル》連邦直轄区=コロナ用集中治療室満室に=入院者の9割は接種未完了

サマンバイア地域病院の集中治療室(Breno Esaki/Agencia Saude DF)

 オミクロン株による新型コロナの感染者急増で、連邦直轄区では25日朝、公立病院の新型コロナ感染者用集中治療室(ICU、ポ語ではUTI)使用率が100%となり、空き待ちの患者も出ていると同日付G1サイトなどが報じた。
 連邦直轄区保健局によると、25日朝6時5分現在のICUの使用状況は、83床中58床は患者が使用しており、25床は使用停止中だという。使用停止となった理由は人員不足とメインテナンス上の問題で、病床数と入院者数は大人と子供の双方を含んでいる。
 また、公立病院で病床の空き待ちの患者は25日朝8時の時点で10人もおり、さらに増える可能性がある。
 連邦直轄区では各感染者から感染する可能性のある人の数が2・24となった。この数字が1未満だと感染は収束に向かうが、2・4だと感染拡大が加速化している事を示す。
 連邦直轄区のイバネイス知事はICU使用率が92%となった24日に病床の増設とドライブスルー形式のワクチン接種場を設ける事を発表したが、病床はその翌日に満杯となってしまった。ICUは最大で217床増設される可能性がある。

 私立病院の場合は137床中72床が使用中で、使用率は59・50%だ。私立病院でも14床は使用できない状態だという。
 連邦直轄区でICUが満杯となったのは昨年の3月8日以来だが、当時は新型コロナ感染者用のICUが285床あったから、現在の入院者数は当時よりは少ない。
 連邦直轄区の感染者は24日だけで6976人増えており、24日には死者も4人出た。同区での新型コロナの累積感染者数は24日の時点で56万8433人、死者は1万1143人だ。
 同区では、16~22日の感染者が2万205人となり、パンデミックが始まって以来の最多記録となった。しかも、16日と22日はデータが更新されていないから、実質的に5日間で2万人余りが感染した事になる。
 連邦直轄区では感染拡大を抑制するため、解放空間でのマスクの使用が再び義務化された。また、ダンスホールの使用や人混みが生じやすいイベントの開催を禁止。入場料を取るイベントも全面的に禁止された。
 同区保健局によると、入院者の90%はワクチン接種を1度も受けていないか、2度目の接種を完了していない人だという。
 入院者と接種との関係については、他州の保健局からも同様の数字が報告されている。

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